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東北大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

複素数平面上で,相異なる3点1,α,α2は
実軸上に中心をもつ同一円周上にある.
このようなαの存在する範囲を複素数平面上に図示せよ.
さらに,この円の半径を∣α∣を用いて表せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25分

複素数平面 実部虚部比較、軌跡、円の性質

方針

円の中心が実軸上にあるので、中心を実数 h とおき、∣1−h∣=∣α−h∣=∣α2−h∣ を式にする。α=x+yi, ∣α∣=r として、∣α−h∣2=∣1−h∣2 と ∣α2−h∣2=∣1−h∣2 から h を消去する。結果は x(r2−1)((x−1)2+y2)=0 となるが、3点が相異なる条件から α=1,−1,0 などの例外を除く。半径は、単位円の場合も虚軸の場合も (1+∣α∣2)/2 に統一される。

解答

α=x+yi とし、r=∣α∣=x2+y2 とおく。また円の中心は実軸上にあるので、中心を実数 h とする。条件は ∣1−h∣=∣α−h∣=∣α2−h∣ である。

まず ∣1−h∣2=∣α−h∣2 より (1−h)2=(x−h)2+y2 である。整理すると 1−2h+h2=x2−2hx+h2+y2 だから
\begin{equation*}
2h(1-x)=1-r^2   (1)
\end{equation*}
である。

次に ∣1−h∣2=∣α2−h∣2 を用いる。α2 の実部は x2−y2、絶対値は r2 であるから ∣α2−h∣2=r4−2h(x2−y2)+h2 である。したがって 1−2h+h2=r4−2h(x2−y2)+h2 より
\begin{equation*}
2h(1-x^2+y^2)=1-r^4   (2)
\end{equation*}
である。

(1) ,(2)から h を消去する。計算を整理すると x(r2−1)((x−1)2+y2)=0 を得る。ここで (x−1)2+y2=0 は α=1 を表すが、3点 1,α,α2 が相異なるという条件に反するので除く。

したがって候補は r=1 または x=0 である。 r=1 の場合、α は単位円上にある。このとき α=1 はもちろん除く。また α=−1 なら α2=1 となり、3点が相異ならないので除く。よって ∣α∣=1,α≠1,−1 である。 x=0 の場合、α は虚軸上にある。α=0 なら α2=0 で3点が相異ならないので除く。したがって Re⁡α=0,α≠0 である。

以上より、求める範囲は単位円 ∣α∣=1 から 1,−1 を除いた部分と、虚軸から0を除いた部分の和である。

最後に円の半径を求める。∣α∣=1 の場合は中心 h=0 であり、半径は1である。これは 1+∣α∣22=1 と一致する。

虚軸の場合、x=0 なので(1)から 2h=1−r2,h=1−r22 である。円の半径 R は点1から中心 h までの距離だから R=∣1−h∣=1−1−r22=1+r22 である。したがって、どちらの場合も円の半径は 1+∣α∣22 である。

α の存在範囲

別解

解法2

方針

実軸上の中心を h とする円の方程式を、複素数 z に対して ∣z∣2−2hRe⁡z=一定 と書く。z=1,α,α2 を代入して差を取り、候補となる単位円と虚軸を幾何的に確認する。

解答

α=x+yi、r=∣α∣、円の中心を実数 h とする。点 1 と α が同じ円上にある条件はr2−2hx=1−2h,すなわち2h(1−x)=1−r2.(1)同様に、点 1 と α2 について2h(1−x2+y2)=1−r4.(2)(1),(2)を消去するとx(r2−1){(x−1)2+y2}=0.最後の因子は α=1 であり、3点が相異なる条件に反する。したがって∣α∣=1またはRe⁡α=0.単位円上では α=1,−1 を除く。虚軸上では α=0 を除く。逆に、単位円上の許された点では中心0の単位円が条件を満たす。虚軸上で α=iy≠0 なら、3点は1,iy,−y2であり、中心h=1−y22の円上にある。よってこの二つの軌跡が必要十分である。

半径 R は単位円の場合に R=1。虚軸の場合にはR=1−h=1+y22.したがって両方をまとめてR=1+∣α∣22である。

総評

難度7、計算量6。目安時間は25〜33分。中心が実軸上にあることを h∈R と置き、3点までの距離が等しい条件を2乗して処理するのが基本である。消去後の式から ∣α∣=1 と Re⁡α=0 が出るが、3点が相異なる条件により α=1,−1,0 は除外する必要がある。半径は場合ごとに中心を確認すれば、最終的に (1+∣α∣2)/2 にそろう。図示では単位円と虚軸の除外点を明確にしたい。

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出典: 東北大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。