Evolton

東北大学 2004年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第4問

180<θ<180とする.複素数z=cosθ+isinθに対し,
w=1(1+z)2とおき,wの実部と虚部をそれぞれxyとする.

(1) xcosθで表せ.

(2) x2+y2cosθで表せ.

(3) xyで表せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

複素数平面三角関数 複素数の極形式、実部虚部比較、軌跡

方針

指定範囲では θ=±180 が除かれているので 1+z0 である。1+z を半角で 2cos(θ/2)(cos(θ/2)+isin(θ/2)) と表すと、(1+z)2 の偏角と大きさが同時に分かる。(1)(2)は w の実部と絶対値を読み取り、(3)は y の式を作って cosθ を消去する。分母 1+cosθ が正であることも確認する。

解答

(1) 180<θ<180 なので cos(θ/2)>0 であり、1+z0 である。また1+z=1+cosθ+isinθ=2cosθ2(cosθ2+isinθ2)である。したがって(1+z)2=4cos2θ2(cosθ+isinθ)=2(1+cosθ)(cosθ+isinθ)となる。よって w=1(1+z)2=cosθisinθ2(1+cosθ) であるから、実部は x=cosθ2(1+cosθ) である。

(2)
上の式より w=cosθisinθ2(1+cosθ) である。ここで cosθisinθ=1 であり、指定範囲では 1+cosθ>0 だから x2+y2=w=12(1+cosθ) である。

(3)
(1)で得た式から虚部は y=sinθ2(1+cosθ) である。したがってy2=sin2θ4(1+cosθ)2=1cos2θ4(1+cosθ)2=1cosθ4(1+cosθ)となる。一方、14y2=1+cosθ4(1+cosθ)1cosθ4(1+cosθ)=cosθ2(1+cosθ)である。これは(1)の x に等しいから、x=14y2 である。

条件・検算

角度範囲から 1+z0 と分母の正値を確認し、消去後の放物線全体が実現することも確認した。

別解

解法2(共役複素数)

方針

z=1 より z=1/z であることを使い、w を共役を含む分数へ有理化する。実部・絶対値を cosθ で求め、最後に sin2θ=1cos2θθ を消去する。

解答

(1)
z=1 なので z=1z である。また1+z2=(1+z)(1+z)=2(1+cosθ).したがってw=(1+z)21+z4.分子の実部は1+2cosθ+cos2θ=2cosθ(1+cosθ)で、分母は 4(1+cosθ)2 である。よってx=cosθ2(1+cosθ).(2)x2+y2=w=11+z2=12(1+cosθ).(3)
同じ表示からy=sinθ2(1+cosθ).よってy2=1cosθ4(1+cosθ).これと(1)を比較するとx=14y2である。逆に任意の実数 y に対しtanθ2=2y と取れるので、この放物線上の全点が指定範囲の
θ から得られる。

総評

難度5、計算量4。目安時間は22〜28分。半角公式で 1+z を処理できるかが中心で、1+z の偏角を θ ではなく θ/2 と見るのが発想の入口である。θ=±180 が範囲外なので分母が0にならず、1+cosθ>0 として絶対値を外せる点も答案に必要である。(3)では y の符号は消えるが、y2 を作る前に虚部の式を明示しておくと計算の流れが読みやすい。誤答としては、(1+z)2 の偏角を誤って 2θ としてしまうもの、また最後の放物線関係で分母を消し忘れるものが多い。

冊子PDFで見る東北大の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2004年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。