方針
指定範囲では θ=±180∘ が除かれているので 1+z=0 である。1+z を半角で 2cos(θ/2)(cos(θ/2)+isin(θ/2)) と表すと、(1+z)2 の偏角と大きさが同時に分かる。(1)(2)は w の実部と絶対値を読み取り、(3)は y の式を作って cosθ を消去する。分母 1+cosθ が正であることも確認する。
解答
(1) −180∘<θ<180∘ なので cos(θ/2)>0 であり、1+z=0 である。また1+z=1+cosθ+isinθ=2cos2θ(cos2θ+isin2θ)である。したがって(1+z)2=4cos22θ(cosθ+isinθ)=2(1+cosθ)(cosθ+isinθ)となる。よって w=(1+z)21=2(1+cosθ)cosθ−isinθ であるから、実部は x=2(1+cosθ)cosθ である。
(2)
上の式より ∣w∣=2(1+cosθ)∣cosθ−isinθ∣ である。ここで ∣cosθ−isinθ∣=1 であり、指定範囲では 1+cosθ>0 だから x2+y2=∣w∣=2(1+cosθ)1 である。
(3)
(1)で得た式から虚部は y=−2(1+cosθ)sinθ である。したがってy2=4(1+cosθ)2sin2θ=4(1+cosθ)21−cos2θ=4(1+cosθ)1−cosθとなる。一方、41−y2=4(1+cosθ)1+cosθ−4(1+cosθ)1−cosθ=2(1+cosθ)cosθである。これは(1)の x に等しいから、x=41−y2 である。
条件・検算
角度範囲から 1+z=0 と分母の正値を確認し、消去後の放物線全体が実現することも確認した。
別解
解法2(共役複素数)
方針
∣z∣=1 より z=1/z であることを使い、w を共役を含む分数へ有理化する。実部・絶対値を cosθ で求め、最後に sin2θ=1−cos2θ で θ を消去する。
解答
(1)
∣z∣=1 なので z=z1 である。また∣1+z∣2=(1+z)(1+z)=2(1+cosθ).したがってw=∣1+z∣4(1+z)2.分子の実部は1+2cosθ+cos2θ=2cosθ(1+cosθ)で、分母は 4(1+cosθ)2 である。よってx=2(1+cosθ)cosθ.(2)x2+y2=∣w∣=∣1+z∣21=2(1+cosθ)1.(3)
同じ表示からy=−2(1+cosθ)sinθ.よってy2=4(1+cosθ)1−cosθ.これと(1)を比較するとx=41−y2である。逆に任意の実数 y に対しtan2θ=−2y と取れるので、この放物線上の全点が指定範囲の
θ から得られる。
総評
難度5、計算量4。目安時間は22〜28分。半角公式で 1+z を処理できるかが中心で、1+z の偏角を θ ではなく θ/2 と見るのが発想の入口である。θ=±180∘ が範囲外なので分母が0にならず、1+cosθ>0 として絶対値を外せる点も答案に必要である。(3)では y の符号は消えるが、y2 を作る前に虚部の式を明示しておくと計算の流れが読みやすい。誤答としては、(1+z)2 の偏角を誤って 2θ としてしまうもの、また最後の放物線関係で分母を消し忘れるものが多い。
冊子PDFで見る東北大の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 2004年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。