方針
(1) では,条件(i)の左辺 x4f(1/x) に負の次数の項が出ないためには f の次数が4以下でなければならないことを示す。(2)は4次以下の一般形で係数比較し,条件(i)から係数の対称性,条件(ii)から x=1/2 に関する対称性を読み取る。最後に f(1)=1 で倍率を決める。
解答
(1) f(x) が零多項式でないとし,その次数を m,最高次の係数を c とする。すなわち f(x)=cxm+次数が m 未満の項 である。このとき x4f(x1)=cx4−m+それ以外の項 となる。
もし m>4 ならば 4−m<0 であり,x4f(1/x) には負の次数の項が現れる。これは多項式 f(x) と等しくなれない。したがって条件(i)を満たす多項式の次数は 4 以下 である。零多項式の場合も主張に反しない。
(2)
(1)より f(x)=ax4+bx3+cx2+dx+e とおける。条件(i)から x4f(x1)=a+bx+cx2+dx3+ex4 である。これが f(x) に等しいので,係数比較により e=a,d=b である。よって f(x)=ax4+bx3+cx2+bx+a と書ける。
条件(ii)を用いる。(1−x)2,(1−x)3,(1−x)4 を展開して係数を比較すると,x3 の係数から −4a−b=b となるので b=−2a である。また x の係数から −4a−4b−2c=b となる。ここに b=−2a を代入して c=3a を得る。
したがって f(x)=a(x4−2x3+3x2−2x+1) である。条件(iii)より 1=f(1)=a(1−2+3−2+1)=a だから a=1 である。よって f(x)=x4−2x3+3x2−2x+1 である。
別解
解法2(対称式で整理)
方針
(1) は最高次項だけを追って次数を制限する。(2)では条件(ii)を先に使い、q=x(1−x) の2次式として f を表す。条件(i)の係数比較を3文字に圧縮し、条件(iii)で定数倍を決める。
解答
(1)
f の次数を m、最高次係数を c=0 とする。x4f(1/x) には cx4−m が現れる。m>4 なら負の次数の項になり、多項式 f(x) と一致できない。よって m≦4 である。零多項式も次数について主張に反しない。
(2)
条件(ii)より、q=x(1−x) を用いてf(x)=Aq2+Bq+Cと表せる。実際、u=x−21 とおけば f は u の偶多項式であり、u2=41−q だからである。
条件(i)の左辺との差を整理するとx4f(x1)−f(x)=(−A+C)x4+(2A+B)x3+(−2A−B)x+(A−C).恒等的に 0 となる条件は C=A, B=−2A である。したがってf(x)=A(q−1)2=A(x2−x+1)2.最後に f(1)=1 より A=1 である。ゆえにf(x)=(x2−x+1)2となる。
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中4。試験場での目安は18分で、前半の次数制限と後半の係数比較を分けて処理する問題である。採点点は、m>4 なら負の次数が出るという(1)の理由、条件(i)から e=a,d=b を得ること、条件(ii)の展開で符号を落とさないことにある。別解の (x2−x+1)2 の形まで見えると、求めた多項式が2つの対称条件を満たす理由を短く確認できる。
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出典: 東北大学 2008年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。