Evolton

東北大学 2009年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

a,b,c,dをa<b,c<d,b≠c,a≠dを満たす実数,
P(x)をxについての3次式とする.
P(x)を(x−a)(x−b)で割った余りとP(x)を(x−c)(x−d)で割った余りは一致するものとする.
その余りをR(x)とするとき,以下の問いに答えよ.

(1)
Q(x)=P(x)−R(x)とおくと,
Q(x)はQ(a)=Q(b)=Q(c)=Q(d)=0を満たす3次式であることを示せ.

(2)
a,b,c,dのうち少なくとも2つは等しいことを示し,
それを用いて,a=cまたはb=dが成り立つことを示せ.

(3)
3次式P(x)=(x−a)(x−b)(x−c)+(x−a)(x−b)(x−d)+(x−a)(x−c)(x−d)+(x−b)(x−c)(x−d)が条件を満たすとき,b−a=d−cであることを示し,a=c,b=dとなることを示せ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安28分

数と式、論証・証明 式変形、必要十分条件、場合分け

方針

共通余りを引いた Q=P−R が a,b,c,d を根にもつことから,まず a=c または b=d を示す.(3)では与えられた P を4次式の導関数と見て,共通余りの傾きを2通りに計算する.差の因数分解から先に b−a=d−c を導き,(2)と合わせる.

解答

(1)

R(x)は2つの割り算の共通の余りである。したがって Q(x)=P(x)−R(x) とおくと,Q(x)は(x−a)(x−b)で割り切れ,かつ(x−c)(x−d)でも割り切れる。よって Q(a)=Q(b)=Q(c)=Q(d)=0 である。またP(x)は3次式であり,R(x)は2次式で割った余りなので1次式以下である。したがってQ(x)は3次式である。

(2)

3次式が相異なる4つの実数根をもつことはできない。ところが(1)より,a,b,c,dはいずれもQ(x)の根である。したがってa,b,c,dのうち少なくとも2つは等しい。

条件として a<b,c<d,b≠c,a≠d が与えられている。したがって等しい可能性がある組は a=cまたはb=d だけである。よって a=c または b=d である。

(3) F(x)=(x−a)(x−b)(x−c)(x−d)とおくと,与えられた P(x) は積の微分そのものだからP(x)=F′(x)である.よってP(a)=(a−b)(a−c)(a−d),P(b)=(b−a)(b−c)(b−d),P(c)=(c−a)(c−b)(c−d),P(d)=(d−a)(d−b)(d−c).共通の余り R(x) は1次式以下である.したがって,区間
[a,b] と [c,d] でその傾きを計算するとP(b)−P(a)b−a=P(d)−P(c)d−c.左辺と右辺を整理すると,それぞれP(b)−P(a)b−a=a2−ac−ad+b2−bc−bd+2cd,P(d)−P(c)d−c=2ab−ac−ad−bc−bd+c2+d2.したがって両者の差を因数分解して(a−b−c+d)(a−b+c−d)=0を得る.ここでa−b+c−d=−{(b−a)+(d−c)}<0だから,もう一方の因子が0でなければならない.よってa−b−c+d=0,b−a=d−cである.

(2) より a=c または b=d である.a=c ならb−a=d−c=d−aから b=d を得る.また b=d ならb−a=b−cから a=c を得る.したがって,どちらの場合にもa=c,b=dとなる.

総評

難度7、計算量7。共通余りを引いて根の個数に持ち込む前半と,特別なPの構造を使う後半で構成される。Pが(x−a)(x−b)(x−c)(x−d)の導関数になっていることに気づくと,根での値が整理しやすい。条件b≠c,a≠dにより,等しい可能性がa=cまたはb=dに限られる点を明確に書きたい。目安時間は28分前後。

第(3)問では,共通余りの傾きを2つの区間で比較すると積 (a−b−c+d)(a−b+c−d) が現れる.長さ b−a,d−c が正であることから消える因子を確定し,設問の順序どおり長さの一致から端点の一致へ進む.

東北大学 理系数学 後期 過去問10年 2017–2026年度問題編69ページ・解答編131ページ 1,980円税込購入する

冊子PDFで見る東北大の数と式の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2009年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。