方針
(1) はa+b=cをそのまま代入して三乗の展開を使う。(2)はs=a+bとおき,(1)で得られる恒等式a3+b3+3abs=s3を利用して,示すべき差を(s−c)でくくる。s−c≧0は仮定から従うので,残る因子はab≦(a+b)2/4=s2/4を使って非負であることを示す。
解答
(1)
a+b=cであるから c3=(a+b)3 である。右辺を展開すると (a+b)3=a3+3a2b+3ab2+b3=a3+b3+3ab(a+b) である。a+b=cを代入して c3=a3+b3+3abc となる。よって a3+b3+3abc=c3 である。
(2)
s=a+bとおく。仮定より s≧c である。また(1)の展開から,任意の実数a,bについて a3+b3+3ab(a+b)=(a+b)3 すなわち a3+b3+3abs=s3 が成り立つ。
示すべき差を計算するとa3+b3+3abc−c3=(s3−3abs)+3abc−c3=s3−c3−3ab(s−c)=(s−c)(s2+sc+c2−3ab)である。
ここで (a−b)2≧0 より (a+b)2≧4ab だから ab≦4s2 である。したがってs2+sc+c2−3ab≧s2+sc+c2−43s2=4s2+sc+c2=(2s+c)2≧0である。
またs−c≧0なので (s−c)(s2+sc+c2−3ab)≧0 である。よって a3+b3+3abc≧c3 が成り立つ。
総評
難度5、計算量4。三乗の展開を不等式に転用する問題である。s=a+bとおくことで仮定がs≧cになり,差が(s−c)で因数分解される。残りの因子はab≦s2/4で評価するが,これはa,bの正負に関係なく(a−b)2≧0から従う。目安時間は15分前後。
差を (a+b−c) でくくった後の因子は,((a+b)/2+c)2+3(a−b)2/4 と平方和にも書ける.この形なら第2因子の非負性が一目で確認できる.
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出典: 東北大学 2009年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。