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東北大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

nを2以上の自然数とする.
平面上の△OA1A2は∠OA2A1=90∘,OA1=1,A1A2=1nをみたすとする.
A2からOA1へ垂線をおろし,交点をA3とする.
A3からOA2へ垂線をおろし,交点をA4とする.
以下同様に,k=4,5,⋯について,AkからOAk−1へ垂線をおろし,
交点をAk+1として,順番にA5,A6,⋯を定める.
hk→=AkAk+1→とおくとき,以下の問いに答えよ.

(1) k=1,2,⋯のとき,ベクトルhk→とhk+1→の内積
hk→⋅hk+1→をnとkで表せ.

(2) Sn=∑k=1nhk→⋅hk+1→とおくとき,
極限値lim⁡n→∞Snを求めよ.
ここで、自然対数の底eについて,
e=lim⁡n→∞(1+1n)nであることを用いてもよい.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安24分

ベクトル、数列 内積の利用、和の計算、極限計算

方針

2本の半直線のなす角を ϕ とし,最初の直角三角形から sin⁡ϕ=1/n,cos⁡ϕ=(n−1)/n を求める。垂線の長さは操作のたびに cos⁡ϕ 倍され,隣接する垂線ベクトルの内積は長さの積に −cos⁡ϕ を掛けたものになる。最後は等比数列の和を取り,(1−1/n)n→1/e に帰着させる。

解答

(1) ∠A1OA2=ϕ とおく。△OA1A2 は A2 で直角で,OA1=1,A1A2=1/n である。したがって sin⁡ϕ=A1A2OA1=1n であり,cos⁡ϕ=1−1n=n−1n である。

最初の垂線ベクトルの長さは ∣h1→∣=A1A2=1n である。以後,片方の半直線からもう片方の半直線へ垂線を下ろすたびに,同じ角 ϕ をもつ直角三角形ができるので,長さは毎回 cos⁡ϕ 倍になる。よって∣hk→∣=1n(n−1n)k−1である。

また,隣り合う hk→ と hk+1→ のなす角の余弦は,向きまで考えると −cos⁡ϕ=−n−1n である。したがってhk→⋅hk+1→=∣hk→∣ ∣hk+1→∣(−n−1n)であり,長さを代入してhk→⋅hk+1→=−1n(n−1n)kを得る。

(2)
(1)より Sn=−1n∑k=1n(1−1n)k である。ここで r=1−1n とおくと ∑k=1nrk=r(1−rn)1−r であり,1−r=1/n だからSn=−r(1−rn)=−(1−1n){1−(1−1n)n}である。

与えられた e の定義から lim⁡n→∞(1−1n)n=1e である。したがって lim⁡n→∞Sn=−1⋅(1−1e)=1e−1 である。

2本の半直線への直交射影を交互に繰り返すため、各線分の長さは一定比で縮む。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。試験場での目安は24分で、文系類題を一般の n に拡張した形である。採点点は、sin⁡ϕ と cos⁡ϕ の取り違えを避けること、内積の符号を −cos⁡ϕ とすること、和の上限にも同じ文字 n が使われている点を丁寧に扱うことである。最後は等比数列の和を −r(1−rn) まで簡単にしてから極限へ進むと計算が崩れにくい。

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出典: 東北大学 2008年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。