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東北大学 2009年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第1問

P(x)xについての3次式で,x3の項の係数が1であるものとする.
a<bおよびc<dを満たす実数abcdに対して,
P(x)(xa)(xb)で割った商と余りが,
それぞれ,P(x)(xc)(xd)で割った商と余りに
一致するための必要十分条件は,a=cb=dであることを示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安15

数と式論証・証明 式変形、必要十分条件、一意性証明

方針

2つの割り算で商と余りがともに一致すると仮定し,割り算の表示を並べる。3次式をモニックな2次式で割った商は1次式で,しかも零式ではない。したがって同じ商・同じ余りを消去すると,割る2次式そのものが一致する。最後に2次式の係数を比較し,a<bc<dという順序条件で対応を確定する。

解答

P(x)(xa)(xb)で割った商と余りをそれぞれQ(x),R(x)とする。同じ商と余りが(xc)(xd)で割ったときにも得られると仮定する。このとき P(x)=Q(x)(xa)(xb)+R(x) であり,同時に P(x)=Q(x)(xc)(xd)+R(x) である。両式を引くと Q(x){(xa)(xb)(xc)(xd)}=0 である。

P(x)x3の項の係数が1である3次式であり,割る式はいずれもx2の項の係数が1である2次式である。したがって商Q(x)xの項の係数が1である1次式であり,零式ではない。よって (xa)(xb)=(xc)(xd) でなければならない。

2次式を展開して係数を比較すると a+b=c+d,ab=cd である。これは,2つの2次方程式 (Xa)(Xb)=0,(Xc)(Xd)=0 が同じ解の組をもつことを意味する。したがって集合として {a,b}={c,d} である。さらにa<bc<dなので,小さい方どうし,大きい方どうしが一致し,a=c,b=d となる。

逆にa=cb=dなら,割る2次式が同じであるから,商と余りが一致するのは明らかである。したがって必要十分条件は a=c,b=d である。

総評

難度6、計算量5。割り算の一意性を式で表し,同じ商・同じ余りを消去して割る2次式の一致に持ち込む問題である。商Q(x)が零式でないことを,Pがモニックな3次式であることから明記すると論理が締まる。最後は係数比較だけでなく,a<bc<dにより対応を決める。目安時間は15分前後。

原問題の脱字を補ったうえで,必要性だけでなく a=c,b=d なら同じ除式なので商・余りが一致するという十分性まで書く.商 Q が零式でない根拠は,被除式と除式がともにモニックで次数が3と2だからである.

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出典: 東北大学 2009年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。