方針
絶対値をx<1とx≧1で外し,領域Dの境界を2本の直線として見る。放物線上のすべての点がDに入るには,それぞれの区間で放物線のy座標が境界直線より常に大きいことが必要十分である。得られる2つの2次式について,頂点が担当区間に入るかどうかも含めて最小値を調べ,開領域なので等号を含めない。
解答
領域 D は折れ線の上側(境界を除く)であり,放物線の各枝を対応する半直線と比較する.
不等式 2y>x+1+3∣x−1∣ を区間ごとに整理する。x<1では∣x−1∣=1−xだから 2y>x+1+3(1−x)=4−2x すなわち y>2−x である。x≧1では∣x−1∣=x−1だから 2y>x+1+3(x−1)=4x−2 すなわち y>2x−1 である。
放物線Cは y=(x−a)2+a+2 である。すべての点がDに入る条件を,2つの区間で調べる。
まずx<1では (x−a)2+a+2>2−x がすべてのx<1で成り立つことが必要十分である。これは F(x)=(x−a)2+x+a>0 がすべてのx<1で成り立つことと同値である。F(x)の頂点は x=a−21 である。頂点がx<1に入る,すなわちa<3/2のとき,最小値は F(a−21)=2a−41 であり,これが正であるためには a>81 が必要十分である。a≧3/2のときは,x<1での下限はx→1−0での値であり F(1)=a2−a+2>0 だから常に成り立つ。結局,前半の条件は a>81 である。
次にx≧1では (x−a)2+a+2>2x−1 すなわち G(x)=(x−a)2−2x+a+3>0 がすべてのx≧1で成り立つことが必要十分である。G(x)の頂点は x=a+1 である。a≧0のとき頂点はx≧1に入り,最小値は G(a+1)=2−a だから a<2 が必要である。a<0のとき頂点はx<1にあり,x≧1での下限はx=1での値 G(1)=a2−a+2>0 なので常に成り立つ。したがって後半の条件は a<2 である。
以上より求める範囲は 81<a<2 である。領域Dは境界を含まないため,a=1/8やa=2は含まれない。
総評
難度6、計算量6。絶対値で境界が折れるため,x<1とx≧1を分けて放物線との差の最小値を調べる必要がある。頂点が担当区間に入るかどうかを確認せずに判別式だけで処理すると端の条件を誤りやすい。領域が開いているため,最小値0となる端点は不可である。目安時間は20分前後。
採点点は,絶対値の分岐点 x=1,各二次式の頂点が担当区間に入るかの判定,境界を含まないため両端が除かれることの3点である.模式図だけで厳密不等式の端点を決めないようにする.
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出典: 東北大学 2009年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。