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東北大学 2016年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第1問

abcを正の実数で,abc=1を満たすものとする。
このとき,次の(1),(2)の不等式を示せ。

(1) a2+b2+c21a+1b+1ca+b+c

(2) a+b+c3

難易度4/ 10計算量3/ 10目安16

方程式・不等式論証・証明 不等式評価対称性の利用

方針

abc=1から1/a=bc1/b=ca1/c=abと直し,最初の不等式は平方差の和に変形する。2つ目の不等式は,A=1/aB=1/bC=1/cと置けば同じ形に帰着できる。(2)は正の実数に対する相加相乗平均を用い,等号成立条件も確認する。

解答

(1) abc=1より 1a=bc,1b=ca,1c=ab である。したがって 1a+1b+1c=ab+bc+ca である。ここでa2+b2+c2(ab+bc+ca)=12{(ab)2+(bc)2+(ca)2}0なので a2+b2+c21a+1b+1c である。

次に A=1a,B=1b,C=1c とおく。するとABC=1であり,先ほどと同じ議論から A2+B2+C2AB+BC+CA である。左辺は A2+B2+C2=1a+1b+1c であり,またabc=1より AB=1ab=c,BC=a,CA=b である。したがって 1a+1b+1ca+b+c である。

以上より a2+b2+c21a+1b+1ca+b+c が成り立つ。

(2) a,b,cは正の実数なので,相加相乗平均より a+b+c3abc3 である。abc=1だから a+b+c3 である。等号は a=b=c=1 のときに成り立つ。

別解

解法2

方針

(1) の第1不等式はa2+b22abを3組について足す。第2不等式は逆数を2項ずつ組にして相加相乗平均を使い,abc=1から1/bc=aへ変える。(2)は3数の相加相乗平均を直接使い,等号条件を確認する。

解答

(1) 2数の平方差からa2+b22ab,b2+c22bc,c2+a22caである。3式を足して2で割るとa2+b2+c2ab+bc+ca.abc=1よりab+bc+ca=1c+1a+1bだから,第1不等式が従う。

次に相加相乗平均より1b+1c2bc=2aである。同様に1c+1a2b,1a+1b2c.これらを足して2で割ると1a+1b+1ca+b+cを得る。したがってa2+b2+c21a+1b+1ca+b+c.(2) 正の3数の相加相乗平均よりa+b+c3abc3=1.よってa+b+c3.等号はa=b=c=1のときに成り立つ。

総評

難度4,計算量3。目安時間は16分。abc=1を使って1/a=bcなどへ変換することが入口である。第1不等式は平方差の和または2数ずつの基本不等式,第2不等式は置換または逆数の2項ずつの相加相乗平均で処理できる。どの変形でも,不等号の向きだけでなくabc=1を使った等式を一段ずつ書くことが採点点になる。(2)は等号条件a=b=c=1まで確認して完答となる。

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出典: 東北大学 2016年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。