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東北大学 2013年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

kを実数とする。
3次式f(x)=x3−kx2−1に対し,方程式f(x)=0の3つの解をα,β,γとする。
g(x)はx3の係数が1である3次式で,方程式g(x)=0の3つの解が
αβ,βγ,γαであるものとする。

(1) g(x)をkを用いて表せ。

(2) 2つの方程式f(x)=0とg(x)=0が共通の解をもつようなkの値を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18分

方程式・不等式、数と式 解と係数の関係、対称式の利用、場合分け

方針

まず f(x)=0 の3解の基本対称式を解と係数の関係から求め、αβ,βγ,γα を根にもつ3次式を作る。共通解の条件は、同じ数 r が f(r)=g(r)=0 を満たすとして2式の差を取ると大きく絞れる。最後に k=0 の場合と r=−1 の場合をそれぞれ元の式へ戻して確認する。

解答

(1) f(x)=x3−kx2−1 の3つの解を α,β,γ とすると、解と係数の関係よりα+β+γ=k,αβ+βγ+γα=0,αβγ=1である。 g(x)=0 の3つの解は αβ,βγ,γα である。これらの和は αβ+βγ+γα=0 である。2つずつの積の和は(αβ)(βγ)+(βγ)(γα)+(γα)(αβ)=αβγ(α+β+γ)=kである。また3つの積は (αβ)(βγ)(γα)=(αβγ)2=1 である。

よって、x3 の係数が 1 であることから g(x)=x3−0x2+kx−1=x3+kx−1 である。

(2)
2つの方程式が共通解 r をもつとする。このとき r3−kr2−1=0,r3+kr−1=0 である。2式を引くと −kr2−kr=0 すなわち kr(r+1)=0 である。

ここで r=0 はどちらの方程式にも代入すると左辺が −1 になり、解ではない。したがって k=0またはr=−1 である。 k=0 のときは f(x)=x3−1,g(x)=x3−1 となり、確かに共通解をもつ。

次に r=−1 のとき、f(−1)=0 より −1−k−1=0 であるから k=−2 である。このとき g(−1)=−1+2−1=0 でもあるので、実際に共通解をもつ。

したがって求める値は k=0, −2 である。

別解

解法2(逆数の根を利用)

方針

αβγ=1 より、αβ,βγ,γα はそれぞれ1/γ,1/α,1/β である。このため g は f の根を逆数に移した多項式として一度に作れる。共通解の条件も「2つの根の積が1」と読み替え、f(1) と f(−1) の確認に帰着する。

解答

(1)
解と係数の関係よりαβγ=1である。したがってαβ=1γ,βγ=1α,γα=1β.すなわち g(x)=0 の根は、f(x)=0 の3根の逆数である。−x3f(1x)=−x3(1x3−kx2−1)=x3+kx−1は最高次係数が1で、根が 1/α,1/β,1/γ である。よってg(x)=x3+kx−1.(2)
f と g が共通解をもつなら、f のある根が、別の(同じものでもよい)根の逆数に等しい。したがって f の2根の積が1である。

異なる2根の積が1なら、3根の積も1であることから残りの根は1である。同じ根どうしの積が1なら、その根は 1 または −1 である。いずれの場合も、f(x)=0 は 1 または −1 を解にもつ。f(1)=−k,f(−1)=−k−2より候補は k=0,−2 である。逆に、k=0 では 1 が、k=−2 では −1 が f と g の共通解になる。したがってk=0, −2である。

総評

難度5、目安時間18分。解と係数の関係から新しい3次式を作る対称式の問題である。採点上は、(αβ)(βγ)+(βγ)(γα)+(γα)(αβ)=αβγ(α+β+γ) と整理できるかが大きい。共通解では2式の差から kr(r+1)=0 まで絞り、r=0 を除外してから候補を元の式で確認する。 なお、積の根を逆数の根と見る解法2は、対称式の計算を短くしつつ、共通解の必要十分条件まで見通せる。

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出典: 東北大学 2013年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。