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東北大学 2009年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第4問

tをt≧0を満たす実数とする.
座標平面において,次の不等式が表す領域をそれぞれA,B,Cとする.A:x2+y2+2y−1≦0,B:x2+y2−2(t+1)x−2t2y+t4+2t−1≦0,C:x2+y2+2(t+1)x−2t2y+t4+t2+2t−1≦0.このとき,以下の問いに答えよ.

(1)
t=0のとき,A,B,Cの共通部分A∩B∩Cは空集合でないことを示せ.

(2)
BとCの共通部分が1点からなるとき,tの値を求めよ.

(3)
tが(2)で求めた値のとき,BとCの共通部分はAに含まれることを示せ.

(4)
A∩B∩Cが空集合でないためのtの範囲を求めよ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安30分

図形と方程式 座標設定、円の性質、範囲評価

方針

3つの不等式を円の内部として整理する。A,B,Cの中心と半径を明確にし,まずBとCの共通部分が1点になる条件を,2中心間距離が半径の和に等しい外接条件で求める。(4)では,三者の共通部分があるためには少なくともBとCが交わる必要がある。一方でBとCが交わる範囲では,Cの右端の点がBにもAにも入ることを示して十分性を出す。

解答

模式図.B0,C0 は同じ高さにあり,t とともに左右へ離れる.

まず3つの領域を円として書き直す。

Aは x2+(y+1)2≦2 であるから,中心(0,−1),半径2の円の内部である。

Bは平方完成して (x−(t+1))2+(y−t2)2≦t2+2 である。したがって中心は B0=(t+1,t2) で,半径は t2+2 である。

Cは (x+(t+1))2+(y−t2)2≦2 である。したがって中心は C0=(−(t+1),t2) で,半径は2である。

(1)

t=0のとき,3つの円の中心と半径は A:(0,−1),2,B:(1,0),2,C:(−1,0),2 である。点(0,0)からこれらの中心までの距離はそれぞれ 1,1,1 であり,いずれも2以下である。したがって(0,0)はA,B,Cすべてに含まれるので A∩B∩C≠∅ である。

(2)

BとCの中心は同じ高さt2にあり,中心間距離は 2(t+1) である。Bの半径はt2+2,Cの半径は2である。t≧0では中心間距離が半径の差より大きいので,1点で交わるのは外接するときである。したがって 2(t+1)=t2+2+2 を解けばよい。

この式を整理する。まず 2(t+1)−2=t2+2 である。両辺を2乗して 3t2+(8−42)t+4−42=0 を得る。この2次方程式のt≧0の解は t0=23(3−2+2−2) である。

(3)

t=t0のとき,BとCは外接するので,共通部分は接点1点だけである。この接点は,Cの中心から右に半径2だけ進んだ点だから T=(2−(t0+1),t02) である。

(2) の方程式でt=1/2を代入すると,左辺は3,右辺は 94+2=32+2<3 である。またt=0では左辺が右辺より小さいので,解t0は 0<t0<12 を満たす。

したがって ∣2−(t0+1)∣≦2−1,1<t02+1<54 である。よって(2−(t0+1))2+(t02+1)2≦(2−1)2+(54)2=3−22+2516<2である。これは Tx2+(Ty+1)2<2 を意味するので,接点TはAに含まれる。したがってt=t0のとき,B∩CはAに含まれる。

(4)

まずA∩B∩Cが空でないなら,少なくともB∩Cは空でない。BとCが交わる条件は,中心間距離が半径の和以下であること,すなわち 2(t+1)≦t2+2+2 である。左辺と右辺の大小は(2)で求めたt0を境に変わるので,必要条件として 0≦t≦t0 を得る。

逆に0≦t≦t0とする。点 Tt=(2−(t+1),t2) を考える。この点はCの中心から右に2だけ進んだ点なので,Cに含まれる。また 距離(Tt,B0)=2(t+1)−2 であり,t≦t0では 2(t+1)−2≦t2+2 だからTtはBにも含まれる。

さらにt≦t0<1/2なので,(3)と同じ評価により (2−(t+1))2+(t2+1)2<2 である。したがってTtはAにも含まれる。よってA∩B∩Cは空でない。

以上より,求める範囲は 0≦t≦23(3−2+2−2) である。

総評

難度8、計算量8。3つの領域を円として整理し,中心間距離と半径で交わりを判定する問題である。(2)の外接条件だけでなく,(4)で三者の共通部分の十分性を示すための具体的な点Ttを選ぶのが山場である。計算は重いが,中心・半径・接点・範囲の順に書けば見通しは保てる。目安時間は30分以上。

外接条件の解がただ1つであること,必要条件 B∩C≠∅ だけで止めず,具体的な点 Tt が3領域すべてに入ることを示すのが採点の中心である.

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出典: 東北大学 2009年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。