方針
行列 は単位行列 に、2乗すると零行列になる行列 を足した形 で表せる。 なら二項展開で となるので、初期点 の 回後の座標を直接求められる。あとは点 までの距離の2乗を の2次式にし、正の整数 で最小となる値を調べる。別解として、座標の漸化式から を帰納法で出しても同じ距離最小化に進める。
解答
問題の点 を と書くことにする。すると は に行列 を 回作用させた点である。とおく。このときである。したがって であり、 について となる。実際、二項展開で 以上の項がすべて零行列になるからである。
初期点を列ベクトルでと書くとである。よってである。したがって である。
点 までの距離の2乗を とするとである。平方完成すると である。実数 では に最も近いところで最小となる。正の整数 では候補は である。
実際に比べると であり、 である。したがって最も近くなるのは のときである。
別解
解法2(座標漸化式と帰納法)
方針
行列の累乗を先に求めず、 の2本の座標漸化式を立てる。初項から を予想して数学的帰納法で証明し、点 までの距離の2乗を隣接整数で比較する。
解答
問題の点 を とおき、とする。行列 の作用からである。
ここでと予想する。 では だから正しい。また、(1)が で成り立つと仮定するとである。よって数学的帰納法により (1) はすべての で成り立つ。
点 までの距離の2乗はである。差を取るとだから、 では減少し、 では増加する。したがって最小となる正の整数はである。実際、 である。
総評
目安時間は18分。主解法では を見抜き、二項展開から を出せるかが中心である。別解では座標漸化式から一般項を予想し、帰納法の仮定と次段の計算を明示する。どちらの方法でも が最初の像であることに注意し、元の点を と置くと添字が整う。最後は実数上の頂点だけで終えず、正の整数 について隣接値または階差を比較する必要がある。