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東北大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

xy平面において,
原点を中心としP(1,0)を頂点の1つとする正6角形をXとする.
Aを2次の正方行列とし,Xの各頂点(x,y)に対して,行列Aの表す移動(xy)=A(xy)で得られる点(x,y)Xの辺上の点(頂点を含む)であるとする.
以下の問いに答えよ.

(1)
Pが行列Aの表す移動でP自身に移るとき,
Xの各頂点はXのいずれかの頂点に移ることを示せ.
また,そのときの行列Aを求めよ.

(2)
Pが行列Aの表す移動でXのある頂点に移るとき,
Xの各頂点はXのいずれかの頂点に移ることを示せ.
また,そのときの行列Aを求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安35

行列図形と方程式 回転・拡大必要十分条件対称性の利用

方針

正六角形の頂点を,P=(1,0) とその60度回転で表す。P が固定される場合は,隣の頂点 QQP の像を利用し,AQAQP がともに正六角形の辺上にある点を調べる。これにより AQ が上下どちらかの隣接頂点に限られる。P が任意の頂点に移る場合は,正六角形の回転対称性を使って,いったん P が固定される場合に戻す。

解答

正六角形 X の頂点を(1,0),(12,32),(12,32),(1,0),(12,32),(12,32)とする。また P=(1,0),Q=(12,32) とおく。

(1)
AP=P とする。点 QP=(12,32)X の頂点であるから,仮定より AQA(QP)=AQAP=AQP はいずれも X の辺上にある。

ここで,正六角形の6本の辺を座標で調べると,点 Y と点 YP がともに X の辺上にあるような点 Y(12,32),(12,32)に限られる。実際,XP+X の共通部分で,両方の境界上にある点はこの2点である。

したがって AQ=Q または AQ=(12,32) である。P,Q は同一直線上にないので,P,Q の像が決まれば行列 A は一意に決まる。

AQ=Q のとき,P,Q がともに固定されるのでA=(1001)である。

AQ=(1/2,3/2) のとき,P は固定され,Qx 軸に関して対称な頂点に移る。よってA=(1001)である。

以上の2つはいずれも正六角形の頂点を頂点に移す。したがって,PP 自身に移るとき,X の各頂点は X のいずれかの頂点に移り,行列は(1001),(1001)である。

(2)
P の像が X のある頂点であるとする。原点を中心とする角 kπ/3 の回転を表す行列をRk=(coskπ3sinkπ3sinkπ3coskπ3)(k=0,1,2,3,4,5)とする。AP はある頂点なので,ある k によって AP=RkP と書ける。

このとき Rk1A を考える。回転 Rk1 は正六角形 X をそれ自身に移すので,A による像が X の辺上にあるという条件は保たれる。また (Rk1A)P=P である。したがって (1) より Rk1A=I またはRk1A=(1001)である。

よってA=RkまたはA=Rk(1001)(k=0,1,2,3,4,5)である。これらは回転または回転と x 軸対称の合成であり,いずれも正六角形の頂点を正六角形の頂点に移す。したがって,この場合も X の各頂点は X のいずれかの頂点に移る。

正六角形の基準頂点

一次変換は、一次独立な P,Q の像が決まれば一意に定まる。

総評

難度は10段階中8、計算量は10段階中7。目安時間は35分程度で、行列計算だけで押し切るより、正六角形の対称性を使うと見通しがよい。(1) では P が固定されると第1列が決まるため、隣接頂点 Q の像を絞ればよい。AQAQP がともに辺上にあるという条件が決定打である。(2) は任意の頂点への移動を回転で戻して (1) に帰着する。答えは12個の変換を Rk でまとめて書けば過不足がない。

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出典: 東北大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。