方針
正六角形の頂点を, とその60度回転で表す。 が固定される場合は,隣の頂点 と の像を利用し, と がともに正六角形の辺上にある点を調べる。これにより が上下どちらかの隣接頂点に限られる。 が任意の頂点に移る場合は,正六角形の回転対称性を使って,いったん が固定される場合に戻す。
解答
正六角形 の頂点をとする。また とおく。
(1)
とする。点 も の頂点であるから,仮定より と はいずれも の辺上にある。
ここで,正六角形の6本の辺を座標で調べると,点 と点 がともに の辺上にあるような点 はに限られる。実際, と の共通部分で,両方の境界上にある点はこの2点である。
したがって または である。 は同一直線上にないので, の像が決まれば行列 は一意に決まる。
のとき, がともに固定されるのでである。
のとき, は固定され, は 軸に関して対称な頂点に移る。よってである。
以上の2つはいずれも正六角形の頂点を頂点に移す。したがって, が 自身に移るとき, の各頂点は のいずれかの頂点に移り,行列はである。
(2)
の像が のある頂点であるとする。原点を中心とする角 の回転を表す行列をとする。 はある頂点なので,ある によって と書ける。
このとき を考える。回転 は正六角形 をそれ自身に移すので, による像が の辺上にあるという条件は保たれる。また である。したがって (1) より またはである。
よってである。これらは回転または回転と 軸対称の合成であり,いずれも正六角形の頂点を正六角形の頂点に移す。したがって,この場合も の各頂点は のいずれかの頂点に移る。
正六角形の基準頂点
一次変換は、一次独立な の像が決まれば一意に定まる。
総評
難度は10段階中8、計算量は10段階中7。目安時間は35分程度で、行列計算だけで押し切るより、正六角形の対称性を使うと見通しがよい。(1) では が固定されると第1列が決まるため、隣接頂点 の像を絞ればよい。 と がともに辺上にあるという条件が決定打である。(2) は任意の頂点への移動を回転で戻して (1) に帰着する。答えは12個の変換を でまとめて書けば過不足がない。