方針
(1) は直線 方向の成分を保ち、それに垂直な成分の符号を反転する対称移動の行列を作る。(2)は に関する対称移動の行列を右から掛けて合成行列を得る。(3)は得られた行列が回転行列の形になっていることを読み取り、3乗して単位行列になる回転角 に対応する を解く。
解答
(1)
直線 方向のベクトルを とする。この直線に関する対称移動では、 方向の成分はそのまま残り、垂直方向の成分は符号が反転する。計算すると、点 の像 はである。したがってである。
(2)
直線 に関する対称移動 は、座標を入れ替える変換なので、行列はである。合成 は先に 、次に を行うので、行列は である。よってである。
(3)
(2)の行列はの形であり、 と読める。したがって は原点まわりの回転を表す。 となるには、3回回転した角が の整数倍であればよい。したがって である。 のときは 、 なので かつ となり、 である。
残り2つの場合は であるから を解けばよい。すなわち であり、 を得る。よって である。
別解
解法2(2直線の角による回転)
方針
直線 の方向角を とする。反射行列を方向ベクトルから作り、 は2本の軸のなす角の2倍だけ回転する変換であることを使う。3回の合成が恒等変換になる方向角を先に求め、最後に へ戻す。
解答
(1)
とし、直線 の単位方向ベクトルをとする。任意のベクトル をこの直線に関して反射するとである。したがって(2)
直線 に関する反射行列はだから、(3)
直線 の方向角は である。2直線に関する反射を続けて行うと、
その合成は原点を中心とする角の回転になる。よって であるための必要十分条件はである。直線の方向角を を法として考えるとしたがって
総評
難度6、目安時間28分。対称移動の行列を作り、合成が回転になることを見抜く問題である。行列の掛ける順序は なので である点に注意したい。(3)は行列を直接3乗するより、回転角を読むと見通しがよい。幾何的な別解も自然で、2直線の対称移動の合成が回転になる事実を使うと、答えの候補を短く導ける。 行列の成分計算と、反射軸の角から合成回転を読む方法を独立答案として分け、どちらでも3つの傾きを漏れなく確認できる形にした。