方針
行列 は原点中心の 回転を表すので、まず と の周期性を押さえる。点 の漸化式は、初期値も加えて の行列和として表す。最後は により が の8で割った余りだけで決まることを使い、8通りの を比較する。
解答
(1) は、原点を中心とする の回転を表す行列である。したがって は の回転、すなわち の回転を表す。よって である。
(2) とおく。条件はである。これを繰り返すと であり、 だから である。
また、 である。 は逆行列をもつので、 である。したがってが成り立つ。
(3)
(1) より である。したがって は を で割った余りだけで決まる。 を順に ずつ回転したベクトルを加えていくと、 に対する はそれぞれとなる。たとえば ではなので である。
上の8つの値のうち最大は であり、これは のときである。したがって求める は である。
別解
解法2(複素数と弦の長さ)
方針
点 を複素数 で表す。行列 は複素数 を掛ける回転なので、 となる。距離は等比和の分子 、すなわち単位円上の弦の長さで比較する。
解答
とおく。行列 の作用は複素数に を掛けることに対応する。
(1) であるから、 である。
(2)
とおけば、漸化式はとなる。これを繰り返してを得る。これはベクトル表示ではであり、示す式が得られる。
(3)
より分母は一定である。分子が最大値1をとる条件はである。3の逆元は3なのでしたがってである。これは、単位円上の点 と の弦が直径になるときに距離が最大になる、という幾何的意味をもつ。
総評
難度6、目安時間25分。行列を単なる計算対象ではなく 回転として見ると、、 がすぐに分かる。採点上は、漸化式に初期値 が含まれるため、和が までになる点を正確に書く必要がある。最後の比較では距離そのものではなく を並べると根号の扱いが軽い。 複素数を使えるなら、解法2では8通りの座標計算を弦の長さ1本に置き換えられる。