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東北大学 2012年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第2問

実数xに対して,関数f(x)をf(x)=x2+2x2−2x+3と定める。
以下の問いに答えよ。

(1) x≧0のとき,f(x)のとりうる値の範囲を求めよ。

(2) xを正の有理数とし,
f(x)の値を互いに素な正の整数p,qを用いてf(x)=qpと表す。
このとき,q≦3となるようなxをすべて求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安25分

関数、方程式・不等式、整数 微分による最大最小、範囲評価、場合分け

方針

(1) は有理関数を微分し、x≧0 での増減と端点・極限を比較して値域を出す。(2)は(1)の値域と q≦3 から、既約分数 q/p の候補を有限個に絞る。各候補について方程式 (x2+2)/(x2−2x+3)=q/p を解き、正の有理数だけを残す。

解答

(1) f(x)=x2+2x2−2x+3 である。分母は x2−2x+3=(x−1)2+2>0 なので、すべての実数で定義される。微分すると f′(x)=2x(x2−2x+3)−(x2+2)(2x−2)(x2−2x+3)2 であり、分子を整理して f′(x)=−2(x−2)(x+1)(x2−2x+3)2 を得る。 x≧0 では、0≦x<2 で f′(x)>0、x>2 で f′(x)<0 である。したがって x=2 で最大値をとる。値は f(0)=23,f(2)=2,lim⁡x→∞f(x)=1 である。よって値域は 23≦f(x)≦2 である。

(2) f(x)=q/p は既約分数で、q≦3 である。また(1)より 23≦qp≦2 である。 q=1 のとき、候補は 1 だけである。q=2 のとき、既約で範囲に入る候補は 2,23 である。q=3 のとき、候補は 32,34 である。したがって調べるべき値は 1,2,23,32,34 である。

それぞれ方程式を解く。f(x)=1 では x2+2=x2−2x+3 より x=12 である。f(x)=2 では x2+2=2(x2−2x+3) より (x−2)2=0 なので x=2 である。f(x)=2/3 では 3(x2+2)=2(x2−2x+3) より x(x+4)=0 となり、正の解はない。 f(x)=3/2 では 2(x2+2)=3(x2−2x+3) より x2−6x+5=0 であるから x=1,5 である。f(x)=3/4 では 4(x2+2)=3(x2−2x+3) より x2+6x−1=0 であり、正の解は −3+10 だが、これは有理数ではないので除く。

以上より x=12, 1, 2, 5 である。

別解

解法2(判別式と解の符号)

方針

k=f(x) と置いて x の2次方程式へ変形する。判別式だけでは負の解も含むため、解の和と積を用いて x≧0 の解が存在する範囲を絞る。(2)は得た値域と既約条件から分子3以下の候補を列挙する。

解答

(1)
k=f(x) とおくとk(x2−2x+3)=x2+2,すなわち(k−1)x2−2kx+3k−2=0(*)を得る。実数解をもつ条件はD4=k2−(k−1)(3k−2)=−(2k−1)(k−2)≧0であるから、まず12≦k≦2である。

1/2≦k<1 では、(∗) の解の和と積は2kk−1<0,3k−2k−1である。k<2/3 なら積が正なので2解はともに負であり、k=2/3 では
非負の解は x=0 である。2/3<k<1 では積が負なので正の解を1つもつ。
k=1 では x=1/2 を得る。また 1<k≦2 では和・積がともに正で、
実数解は正である。
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したがって23≦f(x)≦2.(2)
f(x)=q/p は既約で、q≦3 かつ23≦qp≦2だから、候補は1,2,23,32,34に限られる。各値を (∗) に代入するとf(x)x11/2222/30,−43/21,53/4−3±10となる。x は正の有理数なので、x=12,1,2,5である。

総評

難度5、目安時間25分。前半の値域で候補を有限個に絞ってから、後半で各値を調べる流れが重要である。q≦3 は分子だけの条件なので、既約性を使って q/p の候補を漏れなく列挙する必要がある。最後は正の有理数という条件により、x=0 や無理数解を除外する。 微分による増減表に加え、判別式と2次方程式の解の符号だけで値域を決める文系向けの独立答案も収録した。

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出典: 東北大学 2012年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。