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東北大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

f(x)=x3+3x29xとする.
y<x<aを満たすすべてのxyに対して
f(x)>(xy)f(a)+(ax)f(y)ayが成り立つようなaの範囲を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

関数微分 式変形、不等式評価、範囲評価

方針

弦の値と f(x) の差を直接因数分解する。y<x<a では (xa)(xy) の符号が常に負になるので,残りの一次式 a+x+y+3 が常に負になる条件を求める。必要性は x,ya に近づけて調べ,十分性は a1 から a+x+y+3<0 を示す。

解答

(y,f(y))(a,f(a)) を結ぶ直線において,x に対応する値は (xy)f(a)+(ax)f(y)ay である。したがって,求める条件は f(x)(xy)f(a)+(ax)f(y)ay>0 が,すべての y<x<a に対して成り立つことである。

f(t)=t3+3t29t を代入して整理する。分母 ayy<a より正である。分子を計算すると (ay)f(x)(xy)f(a)(ax)f(y) であり,これは因数分解して (ay)(xa)(xy)(a+x+y+3) となる。よって f(x)(xy)f(a)+(ax)f(y)ay=(xa)(xy)(a+x+y+3) である。

ここで y<x<a だから xa<0,xy>0 である。したがって (xa)(xy)<0 である。差が常に正となるためには a+x+y+3<0 が常に成り立つことが必要十分である。

まず必要性を調べる。x,y をともに a に近づけると,a+x+y+33a+3 にいくらでも近づく。もし a>1 なら 3a+3>0 であるから,x,y を十分 a に近く取ることで a+x+y+3>0 となり,不等式は成り立たない。よって必要条件は a1 である。

逆に a1 とする。y<x<a より x<ay<a なので a+x+y+3<a+a+a+3=3a+30. 実際には x<ay<a であるから a+x+y+3<0 である。したがって差は常に正となり,条件を満たす。

以上より求める範囲は a1 である。

別解

解法2(2階導関数による判定)

方針

3次関数のグラフが弦より上にある条件を、区間 (,a) における上に凸性へ読み替える。f(t)=6(t+1) の符号から十分性を示し、a>1 では a の直前に下に凸な小区間を取って必要性を示す。

解答

関数f(t)=t3+3t29tについてf(t)=6(t+1)である。

a1 とする。任意の y<x<a に対して t<a1 だから f(t)<0 である。したがって f は区間 [y,a] で上に凸であり、内点 x におけるグラフは、(y,f(y))(a,f(a)) を結ぶ弦より厳密に上にある。よって問題の不等式はすべての y<x<a に対して成り立つ。

逆に a>1 とする。このときmax(1,aε)<y<x<aとなる x,y を、十分小さい正数 ε を用いて選べる。この区間では f(t)>0 であるから f は下に凸であり、内点のグラフは弦より下になる。したがって問題の厳密不等式に反する。

以上より求める範囲はa1である。

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安時間は18分程度で、3次関数と弦の上下関係を因数分解で処理する標準問題である。差の因数分解後、y<x<a から符号が決まる部分と、範囲条件として調べる部分を分けるのが重要である。境界 a=1 では x,y<a のため不等式はなお厳密に成り立つので、a<1 と誤って狭めないように注意する。

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出典: 東北大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。