方針
弦の値と の差を直接因数分解する。 では の符号が常に負になるので,残りの一次式 が常に負になる条件を求める。必要性は を に近づけて調べ,十分性は から を示す。
解答
点 と を結ぶ直線において, に対応する値は である。したがって,求める条件は が,すべての に対して成り立つことである。
を代入して整理する。分母 は より正である。分子を計算すると であり,これは因数分解して となる。よって である。
ここで だから である。したがって である。差が常に正となるためには が常に成り立つことが必要十分である。
まず必要性を調べる。 をともに に近づけると, は にいくらでも近づく。もし なら であるから, を十分 に近く取ることで となり,不等式は成り立たない。よって必要条件は である。
逆に とする。 より , なので 実際には , であるから である。したがって差は常に正となり,条件を満たす。
以上より求める範囲は である。
別解
解法2(2階導関数による判定)
方針
3次関数のグラフが弦より上にある条件を、区間 における上に凸性へ読み替える。 の符号から十分性を示し、 では の直前に下に凸な小区間を取って必要性を示す。
解答
関数についてである。
とする。任意の に対して だから である。したがって は区間 で上に凸であり、内点 におけるグラフは、 と を結ぶ弦より厳密に上にある。よって問題の不等式はすべての に対して成り立つ。
逆に とする。このときとなる を、十分小さい正数 を用いて選べる。この区間では であるから は下に凸であり、内点のグラフは弦より下になる。したがって問題の厳密不等式に反する。
以上より求める範囲はである。
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安時間は18分程度で、3次関数と弦の上下関係を因数分解で処理する標準問題である。差の因数分解後、 から符号が決まる部分と、範囲条件として調べる部分を分けるのが重要である。境界 では のため不等式はなお厳密に成り立つので、 と誤って狭めないように注意する。