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東北大学 2015年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

−1<x<1の範囲で定義された関数f(x)で、次の2つの条件を満たすものを考える。

f(x)+f(y)=f(x+y1+xy) (−1<x<1, −1<y<1)

f(x)はx=0で微分可能で、そこでの微分係数は1である

(1) −1<x<1に対しf(x)=−f(−x)が成り立つことを示せ。

(2) f(x)は−1<x<1の範囲で微分可能であることを示し、導関数f′(x)を求めよ。

(3) f(x)を求めよ。

難易度7/ 10計算量5/ 10目安22分

関数、微分 同値変形、逆算、置換

方針

まず x=y=0 から f(0)=0 を出し、y=−x で奇関数性を示す。微分可能性は、関数方程式を f((x+y)/(1+xy))−f(x)=f(y) と見て、y→0 の差商を作る。与えられているのは x=0 での微分可能性だけなので、ここから任意の x の微分係数を導く。最後は f′(x)=1/(1−x2) を積分し、f(0)=0 で定数を決める。

解答

(1)

x=y=0 を代入すると f(0)+f(0)=f(0) であるから f(0)=0 である。次に y=−x とすると、−1<x<1 では x+(−x)1+x(−x)=0 である。したがって f(x)+f(−x)=f(0)=0 となり、f(x)=−f(−x) である。

(2)

−1<x<1 を固定する。y を0に近づけるとき z=x+y1+xy とおくと、z→x であり、関数方程式より f(z)−f(x)=f(y) である。また z−x=x+y−x(1+xy)1+xy=(1−x2)y1+xy である。したがって f(z)−f(x)z−x=f(y)y⋅1+xy1−x2 である。

条件より f は0で微分可能で、f′(0)=1 であり、また f(0)=0 であるから lim⁡y→0f(y)y=1 である。よって y→0、すなわち z→x とすると f′(x)=11−x2 を得る。したがって f は −1<x<1 の全体で微分可能であり、f′(x)=11−x2 である。

(3)

(2) より f′(x)=11−x2=12(11+x+11−x) である。f(0)=0 なので、0 から x まで積分してf(x)=∫0xdt1−t2=12[log⁡(1+t)−log⁡(1−t)]0xである。したがって f(x)=12log⁡1+x1−x である。

別解

解法2(分数変換で乗法型方程式に直す)

方針

u=(1+x)/(1−x) によって区間 (−1,1) を正の実数へ移す。加法公式型の演算が積に変わるため、関数方程式を F(uv)=F(u)+F(v) とし、u=1 での微分係数から対数関数を一意に決める。

解答

(1)

x=y=0 を代入すると f(0)=0 である。さらに y=−x とすればf(x)+f(−x)=f(0)=0だからf(x)=−f(−x)である。

(2)

u>0 に対してx=u−1u+1とおき、F(u)=f(u−1u+1)と定める。恒等式1+x+y1+xy1−x+y1+xy=1+x1−x⋅1+y1−yより、もとの関数方程式はF(uv)=F(u)+F(v)(u>0,v>0)に変わる。

x=(u−1)/(u+1) についてdxdu∣u=1=12であり、f′(0)=1 だから F は u=1 で微分可能でF′(1)=12である。

任意の u>0 を固定し、vn=u1/n とおくと vn→1 であり、関数方程式からF(u)=nF(vn)である。したがってF(u)=F(vn)−F(1)vn−1 n(vn−1)である。n→∞ とするとF(vn)−F(1)vn−1⟶F′(1)=12,n(u1/n−1)⟶log⁡uだからF(u)=12log⁡uを得る。

ここで u=(1+x)/(1−x) を戻せばf(x)=12log⁡1+x1−xである。この式は −1<x<1 で微分可能であり、f′(x)=12(11+x+11−x)=11−x2となる。

(3)

以上で関数は一意に定まり、求める関数はf(x)=12log⁡1+x1−xである。

総評

難度7、計算量5。目安時間は22分。加法公式型の関数方程式だが、最初から逆双曲線関数を知っている必要はない。採点点は、f(0)=0、奇関数性、そして x=0 での微分可能性から任意の x での差商を作る部分である。関数方程式を形式的に y で微分するだけでは仮定不足なので、z=(x+y)/(1+xy) と置いた差商の極限を明記すると厳密になる。 第2解法では主解法と異なる構造を用い、同じ結論を独立に再現した。

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出典: 東北大学 2015年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。