方針
どちらも3次関数の平均変化率や弦との差を、直接因数分解して符号を調べる。(1) は2つの平均変化率の差を取り、条件 から各因子が正であることを示す。(2) は点 と を結ぶ弦上の値との差を計算し、 で符号が固定される因子と、常に負であるべき因子を分ける。
解答
(1)
であるから,, に注意して である。また である。右辺から左辺を引くと これを因数分解すると である。
条件より であり,また だから である。したがって となり, が成り立つ。
(2)
点 と を結ぶ直線において, に対応する値は である。そこで差を計算する。 を代入すると分母を払って整理すると である。したがって ここで だから である。よって上の差が常に正であるためには が常に成り立てばよい。
まず必要性を調べる。 をともに に近づけると, は にいくらでも近づく。もし なら を十分 に近く取ることで となり,不等式は成り立たない。したがって必要条件は である。
逆に とする。 より , であるから 実際には , なので である。したがって差は正となり,条件を満たす。
以上より求める範囲は である。
別解
解法2(曲率から判定)
方針
平均変化率を微分係数の大小として捉える。(1)では が非負なので が増加する。(2)では、区間 上で常にグラフが弦より上にあるための必要十分条件を、 の符号から判定する。
解答
(1)
平均値の定理により、あるが存在してとなる。条件 から である。または で狭義単調増加だから であり、求める不等式が従う。
(2)
とする。任意の に対して区間 ではである。したがって は狭義単調減少し、 のグラフはこの区間で上に凸である。よって内点 におけるグラフは、両端 、 を結ぶ弦より厳密に上にあり、問題の不等式が成り立つ。
逆に なら、 を に十分近く取れる。この小区間では なのでグラフは下に凸であり、内点の値は弦より下になる。したがって条件は満たされない。
以上よりである。
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中5。目安時間は20分程度で、3次式の因数分解と不等式の必要十分性を丁寧に書けるかが得点を左右する。(1) は平均変化率を出したあと、差を と分解できれば短い。(2) は分母 が正であること、 の符号が負であることを確認し、最後に とする必要条件まで書くのが重要である。 でも不等式は厳密に成り立つため、境界を落とさないように注意したい。