方針
(1) は各頂点で作る2本の辺ベクトルの内積が正であることを調べる。(2)は が水平なので、垂心の 座標がすぐ になる。もう1本の高さは、 の傾きの逆数を使って求める。(3)では中点三角形で折ると、4つの面がすべて合同な四面体になることに注目する。向かい合う辺が等しい四面体として座標を置き、体積を の式に直して最大化する。
解答
(1)
各頂点での内積を調べる。点 では であるから であり、角 は常に鋭角である。
点 では なので である。したがって角 が鋭角である条件は である。
点 ではである。よって であり、角 が鋭角である条件は である。 も合わせて、求める範囲は である。
(2)
垂心を とする。 は 軸上の水平な線分であるから、 から に下ろす垂線は である。したがって の 座標は である。
次に、 の傾きは である。よって を通り に垂直な直線の傾きは であり、その方程式は である。ここに を代入すると となる。したがって である。
(3)
中点を結ぶ3本の線分で折ると、中央の三角形 を底面とし、3つの外側の小三角形が折り上がって1つの頂点を作る。4つの面はいずれも、もとの三角形 を相似比 にした三角形である。
したがって折り上がってできる四面体では、向かい合う辺の長さがそれぞれ等しく、その3種類の長さは である。実際、,, であるから、その半分の長さが現れる。
向かい合う辺が等しい四面体は、適当な正の数 を用いて を4頂点にもつ形に置ける。このとき向かい合う辺の長さを上の順に対応させると となる。 ではいずれも正である。
この四面体の体積 は、1つの頂点から出る3本のベクトルの行列式を用いて である。よってである。
ここで とおくと、 より であり、 である。これは のとき最大となり、その最大値は である。したがって である。
別解
解法2(辺長条件とグラム行列)
方針
(1) は3辺の平方を比較して各角の鋭角条件を出す。(2)は高さ上の点を内積条件で決める。(3)は折り上げ後の1頂点から出る3辺の内積を6本の辺長だけで復元し、グラム行列式から体積を求める。
解答
(1)
3辺の長さの平方はである。角 はより常に鋭角である。角 が鋭角である条件はである。角 が鋭角である条件はである。したがってとなる。
(2)
が水平なので、垂心を とおける。 と が垂直であることからである。よってとなり、である。
(3)
折り上げ後の四面体では向かい合う辺が等しく、その3種類の辺長をと書ける。1頂点から出る3本の辺ベクトルを とし、と対応させる。反対側の3辺の長さもそれぞれ なので、余弦定理に相当する内積計算からを得る。
したがってグラム行列はであり、展開するととなる。四面体の体積を とすればだからである。 とおくと であり、より のとき最大となる。ゆえにである。
総評
難度8、計算量8。目安時間は30分強。前半は内積と高さの標準計算だが、後半の折り曲げ後の四面体をどう数式化するかで差がつく。採点点は、鋭角条件を3頂点すべてで確認すること、垂心を座標で出すこと、折り曲げ後の四面体が向かい合う辺の等しい四面体になることを見抜くことである。体積最大値は既存答案の値ではなく であり、 まで整理して検算したい。 第2解法では主解法と異なる構造を用い、同じ結論を独立に再現した。