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東北大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

空間内に,直線lで交わる2平面α, βと交線l上の1点Oがある。
さらに,平面α上の直線mと平面β上の直線nを,
どちらも点Oを通りlに垂直にとる。
m, n上にそれぞれ点P, Qがあり,OP=3,OQ=2,PQ=1であるとする。
線分PQ上の動点Tについて,PT=tとおく。
点Tを中心とした半径2の球Sを考える。
このとき,以下の問いに答えよ。

(1) Sの平面αによる切り口の面積をtを用いて表せ。

(2) Sの平面αによる切り口の面積とSの平面βによる切り口の面積の和をf(t)とおく。
Tが線分PQ上を動くとき,f(t)の最大値と,そのときのtの値を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安26分

図形と方程式、積分 座標設定、体積計算、微分による最大最小

方針

m,nはどちらも交線lに垂直なので,m,nのなす角が2平面α,βのなす角になる。三角形OPQに余弦定理を使ってこの角を求める。点TはPQ上でPT=t,PQ=1だから,各平面までの距離は線分上で一次的に変化する。(1)は球の半径2と平面までの距離から切り口の面積π(2−d2)を使う。(2)は2つの切り口面積の和を2次関数にして最大化する。

解答

(1) m,nはいずれもlに垂直であり,それぞれ平面α,β上にある。したがってm,nのなす角は2平面α,βのなす角である。

三角形OPQにおいて OP=3,OQ=2,PQ=1 である。∠POQ=φとすると,余弦定理より 12=(3)2+22−2⋅3⋅2cos⁡φ だから cos⁡φ=3+4−143=32 である。よって φ=30∘ である。

点Pは平面α上にある。点Qから平面αまでの距離は,OQに対して角30∘の反対側の高さなので 2sin⁡30∘=1 である。TはPQ上でPT=t,PQ=1だから,Tから平面αまでの距離は t である。

半径2の球を,中心から距離dの平面で切ると,切り口の円の半径の2乗は 2−d2 である。ここではd=tなので,切り口の面積は π(2−t2) である。

(2)
今度は平面βまでの距離を考える。点Qは平面β上にあり,点Pから平面βまでの距離は OPsin⁡30∘=3⋅12=32 である。QT=1−tなので,Tから平面βまでの距離は 32(1−t) である。

したがってf(t)=π(2−t2)+π{2−(32(1−t))2}=π{4−t2−34(1−t)2}=π(134+32t−74t2)である。ここで0≦t≦1である。

平方完成すると134+32t−74t2=−74(t−37)2+257である。37は[0,1]に含まれるので,最大値は 25π7 であり,そのとき t=37 である。

別解

解法2

方針

交線lをz軸,平面αをxz平面,直線mをx軸に取る。余弦定理からm,nの角が30∘と分かるので,P,Q,Tを座標表示できる。各平面への距離を平面の法線との内積で直接求め,球の切り口面積を2次式として最大化する。

解答

(1) lをz軸,αをxz平面,mをx軸とする。三角形OPQでOP=3,OQ=2,PQ=1だから,余弦定理より∠POQ=30∘である。したがって座標をP=(3,0,0),Q=(3,1,0)と選べる。PT=t,PQ=1よりT=(3,t,0).平面αはy=0だから,Tからαまでの距離はtである。半径2の球を中心から距離dの平面で切った円の面積はπ(2−d2)なので,求める面積はπ(2−t2)である。

(2) 平面βは,z軸と方向ベクトル(32,12,0)を含む。よってその単位法線ベクトルを(−12,32,0)と取れる。したがってTからβまでの距離は∣−32+32t∣=32(1−t)である。ゆえに2つの切り口の面積の和はf(t)=π(2−t2)+π{2−34(1−t)2}=π{−74(t−37)2+257}.0≦t≦1で3/7はこの範囲内にあるから,max⁡f(t)=25π7であり,そのときt=3/7である。

総評

難度6,計算量5。目安時間は26分。まず余弦定理で平面角が30∘と分かることが入口である。幾何解法では線分PQ上で平面までの距離が一次的に変わること,座標解法ではβの単位法線を正しく置くことが主要な採点点になる。切り口の面積はπ(22−d2)=π(2−d2)であり,距離そのものを面積にしない。最後は平方完成と3/7∈[0,1]の確認まで書いて完答となる。

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出典: 東北大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。