Evolton

東北大学 2015年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

a>0を実数とする。n=1,2,3,に対し、座標平面の3点(2nπ,0),((2n+12)π,1{(2n+12)π}a),((2n+1)π,0)を頂点とする三角形の面積をAnとし、Bn=2nπ(2n+1)πsinxxadx,Cn=2nπ(2n+1)πsin2xxadxとおく。

(1) n=1,2,3,に対し、次の不等式が成り立つことを示せ。2{(2n+1)π}aBn2(2nπ)a(2) 極限値limnAnBnを求めよ。

(3) 極限値limnAnCnを求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

積分数列 はさみうち、定積分評価極限計算

方針

区間 [2nπ,(2n+1)π] では sinx0 であり、xa は単調減少する。(1)は xa を両端の値で挟み、sinxdx=2 を使う。An は底辺 π、高さが中央点の値である三角形の面積として明示する。(2)(3)はいずれも同じ挟みうちで、Bn2/(2nπ)aCn(π/2)/(2nπ)a と同じ主要項をもつことを使う。

解答

(1)

2nπx(2n+1)π では sinx0 である。また a>0 なので xa は単調減少し、1{(2n+1)π}a1xa1(2nπ)a である。したがってsinx{(2n+1)π}asinxxasinx(2nπ)aである。これを積分し、2nπ(2n+1)πsinxdx=2 を用いると 2{(2n+1)π}aBn2(2nπ)a を得る。

(2)

三角形の底辺の長さは π、高さは 1{(2n+12)π}a であるから An=π2{(2n+12)π}a である。(1)よりAn2/(2nπ)aAnBnAn2/{(2n+1)π}aである。すなわちπ4(2n2n+1/2)aAnBnπ4(2n+12n+1/2)aである。両端はともに π/4 に収束するので、はさみうちにより limnAnBn=π4 である。

(3)

同じ区間で sin2x0 であり、2nπ(2n+1)πsin2xdx=π2 である。したがって π2{(2n+1)π}aCnπ2(2nπ)a である。これと An=π/(2{(2n+1/2)π}a) を用いると(2n2n+1/2)aAnCn(2n+12n+1/2)aとなる。両端はともに1に収束するので limnAnCn=1 である。

別解

解法2(区間を固定して正規化する)

方針

x=2nπ+u によって積分区間を [0,π] に固定し、(2nπ)a を掛けて主要項を直接読む。Bn,Cn,An の正規化極限を別々に求めて比を取る。

解答

(1)

2nπx(2n+1)π では sinx0 であり、1{(2n+1)π}a1xa1(2nπ)aである。各辺へ sinx を掛けて積分し、2nπ(2n+1)πsinxdx=2を用いれば2{(2n+1)π}aBn2(2nπ)aを得る。

(2)

x=2nπ+u とおくと(2nπ)aBn=0πsinu(2nπ2nπ+u)aduである。0uπ(2n2n+1)a(2nπ2nπ+u)a1だから、はさみうちによりlimn(2nπ)aBn=0πsinudu=2である。一方、(2nπ)aAn=π2(2n2n+1/2)aπ2である。したがってlimnAnBn=π/22=π4となる。

(3)

同じ置換により(2nπ)aCn=0πsin2u(2nπ2nπ+u)aduである。同じはさみうちからlimn(2nπ)aCn=0πsin2udu=π2を得る。よってlimnAnCn=1である。

総評

難度6、計算量5。目安時間は20分。積分の細かい評価ではなく、区間内で xa がほぼ一定であることを挟みうちで表す問題である。採点点は、sinx がこの区間で非負であること、An の底辺と高さを正しく読むこと、BnCn で使う基本積分がそれぞれ 2π/2 であること。極限では中央点 (2n+1/2)π と両端の比が1へ近づくことを明記したい。 第2解法では主解法と異なる構造を用い、同じ結論を独立に再現した。

冊子PDFで見る東北大の積分の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2015年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。