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東北大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

平面上で原点Oと3点A(3,1)B(1,2)C(1,1)を考える。
実数s,tに対し,点POP=sOA+tOBにより定める。以下の問いに答えよ。

(1) s,tが条件1s1,1t1,1s+t1を満たすとき,点P(x,y)の存在する範囲Dを図示せよ。

(2)Pが(1)で求めた範囲Dを動くとき,
内積OPOCの最大値を求め,
そのときのPの座標を求めよ。

難易度4/ 10計算量4/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 座標設定ベクトル成分計算、範囲評価

方針

(s,t)の条件はst平面の六角形を表すので,まずその頂点を求める。点Pへの対応(s,t)(3s+t,s+2t)は線形変換であり,領域の頂点は頂点に移る。(2)ではOC=(1,1)を使って内積を2s+tという一次式に直し,六角形の頂点で最大値を比較する。

解答

(1) OA=(3,1),OB=(1,2) なので P=(x,y)=(3s+t,s+2t) である。この線形変換の行列式は 3211=50 だから,六角形の各辺と頂点はつぶれずに移る。

まず(s,t)の範囲を調べる。条件 1s1,1t1,1s+t1 は,st平面で6本の直線に囲まれた六角形を表す。その頂点は,隣り合う境界線の交点から (1,0),(1,1),(0,1),(1,0),(1,1),(0,1) である。

これらを(x,y)=(3s+t,s+2t)で移すと,順に (3,1),(2,1),(1,2),(3,1),(2,1),(1,2) となる。したがってDはこれら6点をこの順に結んだ六角形である。

(2) OC=(1,1) だからOPOC=(3s+t,s+2t)(1,1)=3st+s+2t=2s+tである。これは(s,t)について一次式なので,最大値は(1)で得た六角形の頂点で生じる。

各頂点での値は(s,t)2s+t(1,0)2(1,1)3(0,1)1(1,0)2(1,1)3(0,1)1である。よって最大値は 3 であり,そのとき(s,t)=(1,1)である。このとき P=(3(1)+1,1+2)=(2,1) である。

別解

解法2

方針

(1)(s,t)平面の6つの頂点を線形写像P=(3s+t,s+2t)で移す。(2)では頂点を総当たりせず,目的式2s+tを,条件から直ちに上から抑える。等号候補(s,t)=(1,1)が残りの条件も満たすことを確認して最大値と点Pを決める。

解答

(1) 条件1s1,1t1,1s+t1が表す六角形の頂点は(1,0),(1,1),(0,1),(1,0),(1,1),(0,1)である。一方,P=(3s+t,s+2t)であり,変換の行列式は50なので辺や頂点はつぶれない。これらの像は順に(3,1),(2,1),(1,2),(3,1),(2,1),(1,2)となる。したがってDはこの6点を順に結ぶ六角形である。

(2) OC=(1,1)よりOPOC=(3s+t,s+2t)(1,1)=2s+tである。条件s1t1から2s+t2+1=3を得る。等号が成り立つにはs=1, t=1であればよく,この組は1s+t=01も満たす。したがって最大値は3である。そのときP=(3(1)+1,1+2)=(2,1)となる。

総評

難度4,計算量4。目安時間は20分。(1)では(s,t)の六角形の頂点を循環順に並べ,線形写像で得た6点も同じ順に結ぶことが最低限の得点条件になる。(2)は頂点比較でも解けるが,2s+t2+1と一行で抑え,等号点がs+tの条件を満たすと確認できれば簡潔で強い答案になる。最大値だけで終えず,そのときの(s,t)P=(2,1)まで記すことが完答の採点点である。

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出典: 東北大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。