Evolton

東北大学 2017年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第6問

座標空間で,原点O(0,0,0)を中心とする半径1の球面上に3点A(15,b,c),B(0,1,0),C(0,0,1)をとる。ここでb,cはbc<0を満たす実数とする。原点Oを通り,OA→に垂直な平面をαとする。B,Cからαに下ろした垂線をそれぞれBD,CEとする。

(1) 内積OD→⋅OE→と,大きさ∣OD→∣,∣OE→∣をb,cを用いて表せ。

(2) OD→とOE→のなす角をθ(0≦θ≦π)とする。cos⁡θの最大値と,最大値を与える点Aの座標を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安31分

ベクトル、図形と方程式 座標設定、内積の利用、微分による最大最小

方針

平面αはOA→を法線にもつ原点通過平面である。したがってD,EはB,Cをその法線方向に正射影した点であり,OD→=OB→−(OB→⋅OA→)OA→,OE→=OC→−(OC→⋅OA→)OA→と表す。(2)はb2+c2=4/5とbc<0を使ってcos⁡θをb2,c2で表し,積b2c2が最大のときを調べる。

解答

(1) a⃗=OA→=(15,b,c) とおく。Aは半径1の球面上にあるから∣a⃗∣=1である。また平面αは原点を通り,a⃗に垂直な平面である。

点Bからαへ下ろした垂線の足Dは,Bをa⃗方向に正射影して引いた点である。OB→⋅a⃗=bだから OD→=OB→−ba⃗ である。同様にOC→⋅a⃗=cより OE→=OC→−ca⃗ である。

したがってOD→⋅OE→=(OB→−ba⃗)⋅(OC→−ca⃗)=−bcである。また∣OD→∣2=∣OB→∣2−b2=1−b2,∣OE→∣2=∣OC→∣2−c2=1−c2より∣OD→∣=1−b2,∣OE→∣=1−c2である。

(2) Aが単位球面上にあるので 15+b2+c2=1 すなわち b2+c2=45 である。またbc<0より−bc>0である。したがってcos⁡θ=OD→⋅OE→∣OD→∣ ∣OE→∣=−bc(1−b2)(1−c2)である。 u=b2,v=c2とおくと u+v=45,u>0,v>0 であり,cos⁡2θ=uv(1−u)(1−v)=uv1−(u+v)+uv=uv15+uvである。この式はuvが大きいほど大きくなる。和u+v=4/5が一定なので,uvは u=v=25 のとき最大となる。

このとき cos⁡θ=2/53/5=23 である。bc<0よりb,cの符号は反対でなければならない。したがって最大値を与える点Aは(15,25,−25),(15,−25,25)であり,最大値は 23 である。

別解

解法2

方針

単位法線から垂線の足を直接求める。(2)ではb2+c2=4/5を三角関数で表し,cos⁡θをsin⁡2ϕの増加関数へ変形する。

解答

(1) 単位法線をn=(1/5,b,c)とする。平面αはn⋅x=0で,B⋅n=b,C⋅n=cだからD=B−bn,E=C−cn,OD→⋅OE→=−bc,∣OD→∣=1−b2,∣OE→∣=1−c2.(2) b2+c2=4/5,bc<0である。一方の符号配置をb=25cos⁡ϕ,c=−25sin⁡ϕ(0<ϕ<π/2)と表し,s=sin⁡2ϕとおく。このとき−bc=25s,(1−b2)(1−c2)=15+425s2,cos⁡θ=2s5+4s2.0<s≦1で右辺は増加するから,最大はs=1,すなわちb2=c2=2/5のときである。よってmax⁡cos⁡θ=23,A=(15,±25,∓25).

総評

難度7,計算量6。目安時間は31分。平面への正射影をベクトルで表せるかが中心である。D,Eの座標を直接求めるより,法線方向成分を引く形にすると内積と長さが短く計算できる。(2)ではb2+c2=4/5とbc<0を同時に使い,cos⁡θが正であることを確認する。最後は和一定の積最大でb2=c2を得るが,符号条件により2点に分かれる点まで書く必要がある。

冊子PDFで見る東北大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2017年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。