方針
立方体の頂点をからまでの0,1座標で表し,1回の移動は3つの座標のうち1つを反転する操作と見る。時刻にAへ戻るには,各座標が偶数回ずつ反転されればよいので,3種類の記号からなる長さの列で各記号の出現回数が偶数のものを数える。(3)は時刻8で全頂点を通るなら,A以外の7頂点をちょうど1回ずつ通るハミルトン閉路になるため,反転記号列の形を数える。
解答
頂点をとし,隣り合う頂点への移動を,3つの座標のうち1つを反転する操作と考える。各時刻で3本の辺を等確率に選ぶので,長さの移動列は全部で通りである。
(1) , (2)
時刻にへ戻るための条件は,3つの座標がそれぞれ偶数回反転されることである。3種類の記号の出現回数がすべて偶数である長さの列数をとする。偶奇を取り出す標準的な数え上げにより である。したがって,求める確率はである。
特にが奇数のときはであり,が偶数のときは である。よって である。
(3)
時刻8にへ戻る移動列の総数は である。
時刻8までにすべての頂点を通り,かつ時刻8ににいるなら,時刻0と時刻8のを除いて,残り7頂点をそれぞれ1回ずつ通る。つまり長さ8の閉路で全頂点を一周する場合を数えればよい。
反転する座標をで表す。最初の2手は同じ座標を続けて選ぶとに戻ってしまうので,相異なるを選ぶ。残る座標をとすると,全頂点を1回ずつ通って戻る列は,この最初のに対して の2通りである。ここで空白を詰めて書けば,それぞれ である。の選び方は通りなので,有利な移動列は 通りである。
したがって求める条件付き確率は である。
別解
解法2
方針
頂点をAからの距離0,1,2,3の4層に分け,層間の遷移数からAへ戻る経路数の漸化式を作る。偶数時刻の閉路数を2次漸化式で解き,(3)は8手のハミルトン閉路を数える。
解答
Aから辺に沿った距離がである頂点の層をとする。の各頂点からは本がへ,本がへ向かう。
(1) , (2) 長さでAからAへ戻る経路数をとする。4層の経路数について上の遷移を順に書き,途中の3層を消去するとを得る。初期値はである。奇数項はすべて0である。とおくとよって全経路は通りなので特に(3) Aへ戻る8手の経路は通りである。8手ですべての頂点を通るには,A以外の7頂点を各1回通るハミルトン閉路でなければならない。最初の方向は3通り,次は戻らない2通りであり,その各々に対して残りを巡る方法は2通りである。したがって有利な経路は通りで,条件付き確率は
総評
難度8,計算量7。目安時間は35分。立方体の対称性を0,1座標と反転回数に翻訳できるかが勝負である。Aに戻る確率は,3種類の移動方向がすべて偶数回現れる列を数えると一気に求まる。(3)は条件付き確率なので分母をにせず,Aへ戻る1641通りに限定することが重要である。全頂点通過は8手で余裕がないため,A以外を各1回ずつ通る閉路として12通りを数える。