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東北大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

n≧2、a≧1 を整数とする。番号 1,2,…,n の札を1枚ずつ入れた箱から、1枚を無作為に取り出して戻す試行を a 回行う。ちょうど a 回目に、それまでに出た数の和が初めて n 以上となる確率を p(a) とする。

(1) p(1),p(n) を求めよ。

(2) p(2) を求めよ。

(3) p(n−1) を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20分

確率、場合の数 数え上げ、場合分け

方針

各試行で出た札を順に足し、直前までの和が n 未満で、ちょうど指定回で n 以上になる列を数える。p(1) は1回で n を引く場合だけ、p(n) は最初の n−1 回の和が最小の n−1 である場合だけに限られる。p(2) は1回目の値で分類する。p(n−1) は n−2 回後の和が n 未満であるために、全て1または1回だけ2という形に限られることを使う。

解答

(1)
1回目の試行で、それまでに取り出した札の和が初めて n 以上になるには、1回目に n の札を取り出すしかない。よって p(1)=1n である。

次に p(n) を求める。n 回目ではじめて和が n 以上になるには、n−1 回目までの和が n 未満でなければならない。各回で取り出す数は1以上だから、n−1 回の和の最小値は 1+1+⋯+1=n−1 である。したがって n−1 回目までの和を n 未満にするには、最初の n−1 回がすべて1であるしかない。このとき n 回目にはどの札を引いても和は n 以上になる。よって p(n)=(1n)n−1 である。

(2)
1回目に i を取り出したとする。2回目ではじめて和が n 以上になるためには 1≦i≦n−1 であり、2回目に取り出す数は n−i,n−i+1,…,n のいずれかであればよい。この個数は i+1 個である。したがって有利な順序つきの出方の数は ∑i=1n−1(i+1)=(n−1)(n+2)2 である。全事象は n2 通りなので p(2)=(n−1)(n+2)2n2 である。

(3) n−1 回目ではじめて和が n 以上になるには、n−2 回目までの和が n 未満でなければならない。n−2 回の和の最小値は n−2 であるから、和が n 未満になる可能性は次の2通りだけである。

まず、最初の n−2 回がすべて1の場合である。このとき和は n−2 なので、最後の n−1 回目には2以上の札を引けばよい。その選び方は n−1 通りである。

次に、最初の n−2 回のうち1回だけ2が出て、残りがすべて1の場合である。このとき和は n−1 であり、最後はどの札でもよい。2が出る位置は n−2 通り、最後の札は n 通りであるから n(n−2) 通りである。

よって有利な順序つきの出方は (n−1)+n(n−2)=n2−n−1 通りである。全事象は nn−1 通りなので p(n−1)=n2−n−1nn−1 である。

別解

解法2(直前の和で分類)

方針

正の整数列 (X1,…,Xa) を考え、直前の部分和 T=X1+⋯+Xa−1 が n 未満で、最後の札が n−T 以上という条件に直す。端の回数では T の候補がごく少数になる。

解答

各出方を (X1,…,Xa)∈{1,…,n}a とする。

(1)
1回で到達するのは X1=n の1通りなのでp(1)=1n.n 回目で初めて到達するには、最初の n−1 回がすべて1でなければならず、最後は任意でよい。よってp(n)=nnn=1nn−1.(2)
X1=i<n のとき、X2≧n−i は i+1 通りである。したがってp(2)=1n2∑i=1n−1(i+1)=(n−1)(n+2)2n2.(3)
最初の n−2 回の和は少なくとも n−2 で、n 未満だから n−2 または n−1 だけである。前者は全て1で最後が2以上の n−1 通り、後者は2が1回だけで最後が任意の n(n−2) 通りである。ゆえにp(n−1)=(n−1)+n(n−2)nn−1=n2−n−1nn−1.

総評

難度5、目安時間20分。全ての試行が独立で、順序つき列を数える問題である。特に p(n) と p(n−1) では、各札が1以上であることから、直前までの和の形が強く制限される。p(n−1) で「全て1」と「1回だけ2」の2種類しかないことを言葉で示すと、数え上げの根拠が明確になる。分母は試行回数に応じて na になる点も毎回確認したい。

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出典: 東北大学 2018年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。