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東北大学 2020年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第5問

複素数平面上の原点を通らない異なる2直線l,mに関して,
原点と対称な点をそれぞれα,βとする。

(1) 直線l上の点zは常に,
α‾z+αz‾=∣α∣2を満たすことを示せ。

(2) α‾βが実数でないことが,
lとmが交点をもつための必要十分条件であることを示せ。
また,lとmが交点をもつとき,交点をα,βを用いて表せ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安22分

複素数平面、図形と方程式 実部虚部比較、座標設定、必要十分条件

方針

反射点 α の定義から、直線 l は線分 0α の垂直二等分線である。距離条件 ∣z∣=∣z−α∣ を展開して直線の式を作る。(2) は z,z‾ の連立一次方程式として解き、分母の非零条件を幾何的にも確認する。

解答

(1)

点 α は原点を直線 l に関して対称移動した点である。したがって l は線分 0α の垂直二等分線であり、z∈l なら∣z∣=∣z−α∣である。両辺を2乗するとzz‾=(z−α)(z‾−α‾).展開して共通項 zz‾ を消せばα‾z+αz‾=∣α∣2を得る。

(2)

同様に直線 m の方程式はβ‾z+βz‾=∣β∣2である。したがって交点は{α‾z+αz‾=∣α∣2,β‾z+βz‾=∣β∣2の解である。係数の行列式はα‾β−αβ‾=2i Im⁡(α‾β).よって一意な解をもつ条件は α‾β が実数でないことである。行列式が0なら2直線の法線方向が平行であり、l,m は異なる直線なので交点をもたない。したがってこの条件は必要十分である。

連立方程式を消去すると、交点を表す複素数はz=∣α∣2β−α∣β∣2α‾β−αβ‾である。

別解

解法2(実座標の法線ベクトルで考える方法)

方針

α=a+bi,β=c+di,z=x+yi と実部・虚部に分ける。(1) の式が実座標で法線 (a,b) をもつ直線になることを示し、2法線が平行でない条件を Im⁡(α‾β)≠0 と結び付ける。

解答

(1) α=a+bi,z=x+yiとおくと、α‾z+αz‾=2(ax+by).線分 0α の中点は (a/2,b/2)、方向ベクトルは (a,b) である。したがってその垂直二等分線 l はa(x−a2)+b(y−b2)=0,すなわち2(ax+by)=a2+b2=∣α∣2と表される。よって所望の式が成り立つ。

(2) β=c+diとおくと、2直線はax+by=a2+b22,cx+dy=c2+d22である。異なる2直線が交点をもつための必要十分条件は法線ベクトル (a,b),(c,d) が平行でないこと、すなわちad−bc≠0である。一方α‾β=(a−bi)(c+di)=ac+bd+i(ad−bc)なので、これは α‾β が実数でない条件と一致する。

実連立方程式を解いて x+yi に戻すか、(1) の複素数表示を消去すればz=∣α∣2β−α∣β∣2α‾β−αβ‾を得る。分母の虚部が非零であるため、この値は一意に定まる。

総評

難度7、計算量6。想定時間は22分程度。反射の定義を垂直二等分線へ読み替えることが入口である。複素数の式 α‾z+αz‾ は実数であり、実座標では法線ベクトルが (ℜα,ℑα) の直線になる。分母が0でない条件を公式の都合だけで終わらせず、2直線が平行であることまで説明すると必要十分性が明確になる。

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出典: 東北大学 2020年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。