方針
(1) は y=tanu を x で微分して逆関数の導関数を導く。(2) は x/(1+x2)n を微分すると In,In+1 が同時に現れることを利用する。(3) は I1=π/4 から漸化式を2回用いる。
解答
(1)
u=f−1(x) とおくとx=tanu,−2π<u<2π.両辺を x で微分して1=cos2u1dxduである。したがってdxdu=cos2u=1+tan2u1=1+x21.よって(f−1)′(x)=1+x21.(2){(1+x2)nx}′=(1+x2)n+11+(1−2n)x2.これを 0 から 1 まで積分すると左辺は 2−n である。また(1+x2)n+1x2=(1+x2)n1−(1+x2)n+11だから、右辺はIn+1+(1−2n)(In−In+1)=2nIn+1−(2n−1)In.よってIn+1=2n2n−1In+n2n+11.(3)
(1) よりI1=∫011+x2dx=[f−1(x)]01=4π.(2) に n=1,2 を順に代入するとI2=21I1+41=8π+41,I3=43I2+161=323π+41.したがって求める値は323π+41である。
別解
解法2(三角置換と余弦べき積分を使う方法)
方針
x=tanθ により In を余弦のべき積分へ変換し、部分積分で漸化式を得る。(3) は cos4θ の倍角公式で直接計算する。
解答
(1)
f(f−1(x))=x を微分するとf′(f−1(x))(f−1)′(x)=1.f′(u)=1/cos2u かつ tan(f−1(x))=x だから(f−1)′(x)=cos2(f−1(x))=1+x21.(2)
x=tanθ とおくとIn=∫04πcos2n−2θdθ.Jm=∫04πcosmθdθとおけば、部分積分によりJm=[msinθcosm−1θ]04π+mm−1Jm−2.m=2n とし、J2n=In+1,J2n−2=In を使うとIn+1=2n2n−1In+n2n+11.(3)I3=∫04πcos4θdθ=∫04π83+4cos2θ+cos4θdθ=323π+41.
総評
難度6、計算量5。想定時間は18分程度。逆関数の微分を省略せず導き、微分恒等式と三角置換の2経路で同じ漸化式を確認した。積分は表示数式に分離して分数と指数の可読性を保った。
冊子PDFで見る東北大の微分の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 2020年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。