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東北大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

正の整数m,nに対して実数A(m,n)A(m,n)=0π2cosmxsinnxdxで定める。

(1) 次の等式が成り立つことを示せ。A(m,n)=A(n,m),A(m+2,n)+A(m,n+2)=A(m,n).(2) A(m,1)を求めよ。

(3) 次の等式が成り立つことを示せ。A(m,n+2)=n+1m+1A(m+2,n).(4) mまたはnが奇数ならば、A(m,n)は有理数であることを示せ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

積分 部分積分、微積分の対称性、数学的帰納法

方針

(1)u=π/2xsin2x+cos2x=1 を使う。(2) は u=cosx で直接積分する。(3) は部分積分で指数を2つ移す。(4) は奇数の指数を(3)で1まで下げ、有理数に帰着する。

解答

(1) u=π2x とおくと cosx=sinu,sinx=cosu であり、A(m,n)=A(n,m).またA(m+2,n)+A(m,n+2)=0π2cosmxsinnx(cos2x+sin2x)dx=A(m,n).(2)

u=cosx とおくとA(m,1)=0π2cosmxsinxdx=01umdu=1m+1.(3)A(m,n+2)=0π2cosmxsinn+1xsinxdx.d(cosm+1x)=(m+1)cosmxsinxdx を用いて部分積分する。境界項は0なのでA(m,n+2)=n+1m+10π2cosm+2xsinnxdx=n+1m+1A(m+2,n).(4)

対称性により、必要なら m,n を入れ替えて n=2r+1 が奇数であるとしてよい。(3)を繰り返すとA(m,2r+1)=2rm+12r2m+32m+2r1A(m+2r,1).前の係数は有理数であり、(2)よりA(m+2r,1)=1m+2r+1も有理数である。したがって A(m,n) は有理数である。r=0 の場合は(2)そのものである。

別解

解法2(奇数乗を多項式積分へ変換する方法)

方針

(1) 〜(3) の基本関係を示した後、(4) では奇数乗の正弦を sinx(1cos2x)r と書く。u=cosx により有限個の有理数の和へ直接変換する。

解答

(1)

変数変換 u=π/2x からA(m,n)=A(n,m)を得る。また cos2x+sin2x=1 を被積分関数へ掛ければA(m+2,n)+A(m,n+2)=A(m,n)である。

(2) A(m,1)=0π2cosmxsinxdx=1m+1.(3)

sinn+1xd(cosm+1x) を組にして部分積分するとA(m,n+2)=n+1m+1A(m+2,n).(4)

n=2r+1 が奇数である場合を考える。A(m,2r+1)=0π2cosmx(1cos2x)rsinxdx=01um(1u2)rdu.二項展開するとA(m,2r+1)=j=0r(1)jrCj1m+2j+1,これは有理数である。m が奇数なら(1)の対称性で m,n を入れ替えれば同じ議論が使える。したがって m,n の少なくとも一方が奇数なら A(m,n) は有理数である。

総評

難度6、計算量6。想定時間は22分程度。積分はすべて表示数式へ分離し、上下限・指数・分数が本文中で潰れないようにした。(3) の部分積分では境界項が0になる理由を確認する。(4) は値を求め切る必要はなく、有理数だけで作られる形へ帰着すればよい。有限和へ直接直す別解は有理数性を最も明瞭に示す。

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出典: 東北大学 2020年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。