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東北大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

aを実数とし,実数xの関数f(x)=(x2+3x+a)(x+1)2を考える。

(1) f(x)の最小値が負となるようなaのとりうる値の範囲を求めよ。

(2) a<2のとき,f(x)は2つの極小値をもつ。
このとき,f(x)が極小となるxの値をα1,α2 (α1<α2)とする。
f(α1)<f(α2)を示せ。

(3) f(x)x<βにおいて単調減少し,
かつ,x=βにおいて最小値をとるとする。
このとき,aのとりうる値の範囲を求めよ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

微分関数 置換増減表、場合分け

方針

y=x+1 とおくと f=y2(y2+y+a2) となり、重因子 y2 と2次式の関係が見えやすくなる。(1) は y20 なので、2次式 y2+y+a2 が負になるかで判定する。(2) は導関数 y(4y2+3y+2a4) の2つの極小点を調べ、極小点での値を根の関係で比較する。(3) は導関数の符号配置と全体最小の位置を、a9494<a<7332a7332 に分けて判定する。

解答

y=x+1 とおく。x が実数全体を動くとき、y も実数全体を動く。また x2+3x+a=(y1)2+3(y1)+a=y2+y+a2 であり、(x+1)2=y2 だから f(x)=y2(y2+y+a2) である。以下、fy の関数として扱う。

(1) y20 であり、y=0 では f=0 である。したがって f が負の値をとるためには、ある y0y2+y+a2<0 となればよい。

2次式 y2+y+a2 の最小値は、y=12 のとき 1412+a2=a94 である。よって負の値をとる y が存在する条件は a94<0 である。したがって求める範囲は a<94 である。

(2)
微分すると dfdy=2y(y2+y+a2)+y2(2y+1)=y(4y2+3y+2a4) である。 a<2 のとき、2次方程式 4y2+3y+2a4=0 は積が 2a44<0 であるから、負の解と正の解を1つずつもつ。それらを y1<0<y2 とする。導関数の符号を調べると、y=y1y=y2 で極小となり、y=0 で極大となる。x=y1 であるから、α1=y11α2=y21 である。

極小点 y=y1,y2 では 4y2+3y+2a4=0 が成り立つ。これより a2=2y232y であるから y2+y+a2=y212y となる。したがって極小値は f=y2(y212y)=y3(y+12) で表される。

また、2次方程式の解と係数の関係より y1+y2=34 である。y1=34y2 を用いて整理すると f(y2)f(y1)=(8y2+3)3256 である。y2>0 なので右辺は正である。よって f(y1)<f(y2) であり、すなわち f(α1)<f(α2) である。

(3) f(y)=y(4y2+3y+2a4) の符号で考える。まず a94 のとき、(1) より f は負の値をとるか、または a=94 で最小値 0 をとる。左側の極小点で全体の最小値をとり、その点より左では導関数が負である。したがって、ある β をその最小点に対応する x とすれば、x<βf は単調減少し、x=β で最小値をとる。

次に 94<a<7332 とする。このとき y2+y+a2>0 がすべての y で成り立つので、f0 であり、全体の最小値は y=0、すなわち x=1 でとる。一方、4y2+3y+2a4=0 は2つの負の解をもつので、y<0 の範囲で f(y) は途中で正になる区間をもつ。したがって x<1 全体で単調減少とはならず、この範囲の a は条件を満たさない。

最後に a7332 とする。このとき 4y2+3y+2a4 の判別式は 916(2a4)=7332a0 であり、y の2次式として常に 0 以上である。したがって y<0 では f(y)0y>0 では f(y)0 である。よって y=0、すなわち x=1 で全体の最小値をとり、かつその左側で単調減少する。

以上より、求める a の範囲は a94またはa7332 である。

別解

解法2

方針

y=x+1 として導関数を f(y)=yQ(y) と因数分解する。(2) は Q の2根の中点を原点に移し、極小値の差を定積分で比較する。(3) は a>9/4 のとき最小点が y=0 に限られることを使い、y<0 での単調減少条件を Q の頂点の値だけで判定する。

解答

y=x+1 とおくとf(y)=y2(y2+y+a2),f(y)=yQ(y),Q(y)=4y2+3y+2a4.(1)
y20 なので、f が負の値をもつための必要十分条件は、2次式 y2+y+a2 が負の値をもつことである。その最小値はa94だからa<94である。ここでは微分は不要である。

(2)
a<2 では Q(y)=0 の2根を y1<0<y2 と書ける。これらが2つの極小点に対応する。根の中点と半幅をc=38,d=7332a8とおけば y1=cd,y2=c+d である。またf(y)=4y(yy1)(yy2).そこで y=c+u と置くとf(y2)f(y1)=4dd(c+u)(u2d2)du=4cdd(u2d2)du=16cd33=2d3>0.奇関数部分の積分は0である。したがってf(α1)=f(y1)<f(y2)=f(α2).(3)
まず a<2 では(2)より負側の極小値が正側の極小値より小さく、y=0 での値は0だから、最初の極小点が全体最小点である。2a<9/4 では Q(y)=0 の2根はともに負であり、最初の根で負の極小値をとる一方、y=0 での値は0である。いずれも f からその最小点まで単調減少する。

a=9/4 ではf(y)=y2(y+12)2であり、y=1/2 を選べば、その左側で単調減少し最小値0をとる。よって a9/4 はすべて適する。

次に a>9/4 では f(y)0 で、最小値0をとる点は y=0 だけである。したがって βx=1 に対応し、必要十分条件は y<0f(y)0、すなわち Q(y)0 である。Q の頂点 y=3/8 は負でありQ(38)=32a7316.ゆえに条件は a73/32 である。以上よりa94またはa7332となる。

総評

4次関数の増減とパラメータを同時に扱う難問。目安時間は30〜38分。公式講評では、(1)に不要な微分を持ち込む時間損失、(2)の計算を示さない結論、(3)の増減場合分け不足が指摘されている。y=x+1 により重因子を原点へ移し、f=yQ(y) と整理するのが全問共通の軸である。境界 9/4 は関数値の符号、73/32 は導関数中の2次式の頂点から生じるため、役割を混同しない。

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出典: 東北大学 2022年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。