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東北大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

正の整数nに対して,Sn=∑k=1n(1+kn2−1)とする。

(1) 正の実数xに対して,次の不等式が成り立つことを示せ。x2+x≦1+x−1≦x2(2) 極限値lim⁡n→∞Snを求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15分

数列 不等式評価、はさみうち、和の計算

方針

(1) は 1+x−1 を有理化し、分母 1+x+1 を上下から評価する。(2) は x=kn2 を代入して各項をはさみ、1≦k≦n から下限の分母を 2n2+n でそろえる。上下の和がどちらも 14 に近づくことを確認して、はさみうちを使う。

解答

(1) x>0 とする。有理化すると 1+x−1=x1+x+1 である。

まず 1+x+1≧2 だから x1+x+1≦x2 である。よって 1+x−1≦x2 が成り立つ。

また、x>0 では 1+x≧1+x である。したがって 1+x+1≦x+2 となる。分子 x は正なので、分母が大きいほど分数は小さくなる。よって x1+x+1≧xx+2 である。したがって x2+x≦1+x−1≦x2 が示された。

(2)
(1) に x=kn2 を代入するとkn22+kn2≦1+kn2−1≦k2n2である。左辺を整理して k2n2+k≦1+kn2−1≦k2n2 を得る。 1≦k≦n より 2n2+k≦2n2+n であるから k2n2+k≧k2n2+n である。したがって ∑k=1nk2n2+n≦Sn≦∑k=1nk2n2 となる。

各和を計算すると12n2+n⋅n(n+1)2≦Sn≦12n2⋅n(n+1)2すなわち n(n+1)2(2n2+n)≦Sn≦n(n+1)4n2 である。左右の端はどちらも 14 に収束する。よって、はさみうちの原理より lim⁡n→∞Sn=14 である。

別解

解法2

方針

各項を一次近似 k/(2n2) と比較し、その誤差を二次の量で一括評価する。(1)の上側評価から、平方根の差と一次項との差が x2/8 以下であることを示し、誤差の総和が0へ収束することから極限を得る。

解答

(1) u=1+x−1>0 とおくと x=u(u+2) である。するとx2−u=u(u+2)2−u=u22≧0だから u≦x/2 である。またu=x1+x+1であり、1+x≦1+x より分母は 2+x 以下だからu≧x2+x.したがって所要の不等式が成り立つ。

(2)
上の計算はさらに0≦x2−(1+x−1)=(1+x−1)22≦x28を与える。ここで x=k/n2 として k=1,…,n について足すと0≦∑k=1nk2n2−Sn≦18n4∑k=1nk2=n(n+1)(2n+1)48n4.右端は0へ収束する。一方∑k=1nk2n2=n(n+1)4n2⟶14.よって誤差評価からlim⁡n→∞Sn=14である。

総評

平方根の差を評価し、和の極限をはさみうちで求める標準問題。目安時間は14〜18分。公式講評では、2乗時の符号条件、平均値の定理などを使う際の論理不足、グラフだけの説明、(2)の下からの評価不足が指摘されている。有理化なら全量が正であることが明確で安全である。別解の誤差評価は各項のずれを O(k2/n4) に抑え、総誤差まで具体的に0へ送る。

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出典: 東北大学 2022年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。