方針
(1) は 1+x−1 を有理化し、分母 1+x+1 を上下から評価する。(2) は x=n2k を代入して各項をはさみ、1≦k≦n から下限の分母を 2n2+n でそろえる。上下の和がどちらも 41 に近づくことを確認して、はさみうちを使う。
解答
(1) x>0 とする。有理化すると 1+x−1=1+x+1x である。
まず 1+x+1≧2 だから 1+x+1x≦2x である。よって 1+x−1≦2x が成り立つ。
また、x>0 では 1+x≧1+x である。したがって 1+x+1≦x+2 となる。分子 x は正なので、分母が大きいほど分数は小さくなる。よって 1+x+1x≧x+2x である。したがって 2+xx≦1+x−1≦2x が示された。
(2)
(1) に x=n2k を代入すると2+n2kn2k≦1+n2k−1≦2n2kである。左辺を整理して 2n2+kk≦1+n2k−1≦2n2k を得る。 1≦k≦n より 2n2+k≦2n2+n であるから 2n2+kk≧2n2+nk である。したがって k=1∑n2n2+nk≦Sn≦k=1∑n2n2k となる。
各和を計算すると2n2+n1⋅2n(n+1)≦Sn≦2n21⋅2n(n+1)すなわち 2(2n2+n)n(n+1)≦Sn≦4n2n(n+1) である。左右の端はどちらも 41 に収束する。よって、はさみうちの原理より n→∞limSn=41 である。
別解
解法2
方針
各項を一次近似 k/(2n2) と比較し、その誤差を二次の量で一括評価する。(1)の上側評価から、平方根の差と一次項との差が x2/8 以下であることを示し、誤差の総和が0へ収束することから極限を得る。
解答
(1) u=1+x−1>0 とおくと x=u(u+2) である。すると2x−u=2u(u+2)−u=2u2≧0だから u≦x/2 である。またu=1+x+1xであり、1+x≦1+x より分母は 2+x 以下だからu≧2+xx.したがって所要の不等式が成り立つ。
(2)
上の計算はさらに0≦2x−(1+x−1)=2(1+x−1)2≦8x2を与える。ここで x=k/n2 として k=1,…,n について足すと0≦k=1∑n2n2k−Sn≦8n41k=1∑nk2=48n4n(n+1)(2n+1).右端は0へ収束する。一方k=1∑n2n2k=4n2n(n+1)⟶41.よって誤差評価からn→∞limSn=41である。
総評
平方根の差を評価し、和の極限をはさみうちで求める標準問題。目安時間は14〜18分。公式講評では、2乗時の符号条件、平均値の定理などを使う際の論理不足、グラフだけの説明、(2)の下からの評価不足が指摘されている。有理化なら全量が正であることが明確で安全である。別解の誤差評価は各項のずれを O(k2/n4) に抑え、総誤差まで具体的に0へ送る。
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出典: 東北大学 2022年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。