東北大学 2022年度
理系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 数列
- 解法
- 不等式評価、はさみうち、和の計算
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 14〜18分
問題
正の整数nに対して,
とする。
(1) 正の実数xに対して,次の不等式が成り立つことを示せ。
(2) 極限値n→∞limSnを求めよ。
出典:東北大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問
方針
解法1
(1) は 1+x−1 を有理化し、分母 1+x+1 を上下から評価する。(2) は x=n2k を代入して各項をはさみ、1≦k≦n から下限の分母を 2n2+n でそろえる。上下の和がどちらも 41 に近づくことを確認して、はさみうちを使う。
解法2
各項を一次近似 k/(2n2) と比較し、その誤差を二次の量で一括評価する。(1)の上側評価から、平方根の差と一次項との差が x2/8 以下であることを示し、誤差の総和が0へ収束することから極限を得る。
解答
解法1
(1)
x>0 とする。有理化すると 1+x−1=1+x+1x である。
まず 1+x+1≧2 だから 1+x+1x≦2x である。よって 1+x−1≦2x が成り立つ。
また、x>0 では 1+x≧1+x である。したがって 1+x+1≦x+2 となる。分子 x は正なので、分母が大きいほど分数は小さくなる。よって 1+x+1x≧x+2x である。したがって 2+xx≦1+x−1≦2x が示された。
(2)
(1) に x=n2k を代入すると
2+n2kn2k≦1+n2k−1≦2n2k
である。左辺を整理して 2n2+kk≦1+n2k−1≦2n2k を得る。 1≦k≦n より 2n2+k≦2n2+n であるから 2n2+kk≧2n2+nk である。したがって ∑k=1n2n2+nk≦Sn≦∑k=1n2n2k となる。
各和を計算すると
2n2+n1⋅2n(n+1)≦Sn≦2n21⋅2n(n+1)
すなわち 2(2n2+n)n(n+1)≦Sn≦4n2n(n+1) である。左右の端はどちらも 41 に収束する。よって、はさみうちの原理より limn→∞Sn=41 である。
解法2
(1)
u=1+x−1>0 とおくと x=u(u+2) である。すると
2x−u=2u(u+2)−u=2u2≧0
だから u≦x/2 である。また
であり、1+x≦1+x より分母は 2+x 以下だから
u≧2+xx.
したがって所要の不等式が成り立つ。
(2)
上の計算はさらに
0≦2x−(1+x−1)=2(1+x−1)2≦8x2
を与える。ここで x=k/n2 として k=1,…,n について足すと
0≦k=1∑n2n2k−Sn≦8n41k=1∑nk2=48n4n(n+1)(2n+1).
右端は0へ収束する。一方
k=1∑n2n2k=4n2n(n+1)⟶41.
よって誤差評価から
n→∞limSn=41
である。