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東北大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

xy平面の第1象限内において,
直線l:y=mx (m>0)とx軸の両方に接している半径aの円をCとし,
円Cの中心を通る直線y=tx (t>0)を考える。
また,直線lとx軸,および,円Cのすべてにそれぞれ1点で接する円の半径をbとする。
ただし,b>aとする。

(1) mを用いてtを表せ。

(2) tを用いてbaを表せ。

(3) 極限値lim⁡m→+01m(ba−1)を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25分

図形と方程式、三角関数 図形的解釈、三角比の利用、極限計算

方針

直線 y=mx と x 軸のなす角を ϕ とおくと、両方に接する円の中心は角の二等分線上にあるので、中心を通る直線の傾きは t=tan⁡ϕ2 である。(2) では半径 a、b の2つの円の中心を (a/t,a)、(b/t,b) と表し、2円が外接するため中心間距離が a+b になる条件から b/a を求める。(3) は m→+0 で t/m→12 と、b/a−1 の t に関する一次の変化を組み合わせる。

解答

(1)
直線 l:y=mx と x 軸のなす角を ϕ とおく。m>0 なので m=tan⁡ϕ である。円 C は直線 l と x 軸の両方に接しているので、その中心は2直線のなす角の二等分線上にある。したがって、中心を通る直線 y=tx は t=tan⁡ϕ2 を満たす。

半角公式より tan⁡ϕ2=sin⁡ϕ1+cos⁡ϕ である。tan⁡ϕ=m から sin⁡ϕ=m1+m2,cos⁡ϕ=11+m2 だから t=m1+1+m2 である。

(2)
半径 a の円の中心は、x 軸からの距離が a であり、直線 y=tx 上にある。よってその中心は (at,a) である。同様に、半径 b の円の中心は (bt,b) である。

2つの円は互いに外接し、b>a なので、中心間距離は a+b である。したがって (b−at)2+(b−a)2=a+b となる。t>0 より (b−a)1+t2t=a+b である。 λ=ba とおくと (λ−1)1+t2t=λ+1 である。これを解くと λ=1+t2+t1+t2−t となる。分子分母に 1+t2+t をかければ ba=(1+t2+t)2 である。

(3)
(1) より t=m1+1+m2 なので lim⁡m→+0tm=12 である。

また (2) より ba=(1+t2+t)2=1+2t1+t2+2t2 である。したがって lim⁡t→+0ba−1t=2 となる。よってlim⁡m→+01m(ba−1)=(lim⁡t→+0ba−1t)(lim⁡m→+0tm)=2⋅12=1である。

別解

解法2

方針

角の二等分線と相似比を中心に処理する。半径 r の接円中心までの距離をr/sin⁡(ϕ/2) と表し、隣り合う2円の外接条件から半径比を直接求める。最後は t=tan⁡(ϕ/2) を用いて極限を2因子へ分ける。

解答

(1)
x 軸と l のなす角を ϕ (0<ϕ<π/2) とする。接円の中心は内角の二等分線上にあるからt=tan⁡ϕ2.m=tan⁡ϕ と半角公式よりt=m1+1+m2.(2)
角の頂点から半径 r の接円中心までの距離はdr=rsin⁡(ϕ/2)である。2円は同じ二等分線上で外接し、b>a だからdb−da=a+b.s=sin⁡(ϕ/2) とおけばb−as=a+b⟹ba=1+s1−s.また t=tan⁡(ϕ/2) より s=t/1+t2 である。したがってba=1+t2+t1+t2−t=(1+t2+t)2.(3)ba−1m=ba−1t⋅tm.(1)より t/m→1/2 であり、(2)よりba−1t=21+t2+2t⟶2.よってlim⁡m→+01m(ba−1)=1.

総評

2直線への接円、相似、極限をつなぐ図形問題。目安時間は22〜28分。公式講評では、『関係式』で止めて指定変数で陽に表さない答案、複号を選ばない答案、m→+0 での t の誤評価が指摘されている。中心が内角の二等分線上にあることと b>a を図で固定し、正の枝だけを選ぶ。(3)は t/m→1/2 と (b/a−1)/t→2 を分離すると検算しやすい。

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出典: 東北大学 2022年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。