Evolton

東北大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

半径1の円を底面とする高さが3の直円柱と,半径がrの球を考える。
直円柱の底面の円の中心と球の中心が一致するとき,
直円柱の内部と球の内部の共通部分の体積V(r)を求めよ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

積分図形と方程式 体積計算、場合分け、定積分評価

方針

球の中心を原点、円柱を x2+y21,0z3 と置く。高さ z で切った断面は、半径1の円板と半径 r2z2 の円板の共通部分であり、小さい方の面積を積分する。球の断面半径が1になる高さ z=r21、球の上端 z=r、円柱の上端 z=3 の位置関係から、r=1,3,2 を境に場合分けする。

解答

球の中心を原点、円柱の底面を z=0 の平面上に置く。円柱は x2+y21,0z3 であり、球は x2+y2+z2r2 である。

高さ z で水平に切ると、円柱の断面は半径 1 の円板であり、球の断面は 0zr で半径 r2z2 の円板である。したがって共通部分の断面積は、これら2つの円板の小さい方の面積になる。

(i) 0<r1 のとき、球の上半分は常に半径 1 の円柱の内側に入る。したがって共通部分は半径 r の球の上半球であり、V(r)=1243πr3=23πr3 である。

(ii) 1<r3 のとき、球は円柱の上端 z=3 まで届かないか、ちょうど届く。球の断面半径が 1 になる高さは r2z2=1 より z=r21 である。したがって 0zr21 では円柱の断面全体が入り、r21zr では球の断面が入る。よって V(r)=πr21+πr21r(r2z2)dz である。計算すると V(r)=2π3{r3(r21)3/2} である。

(iii) 3<r<2 のとき、球は円柱の上端より高くまで伸びるが、円柱全体を含むほど大きくはない。したがって積分の上端は r ではなく、円柱の上端 3 で止まる。0zr21 では円柱の断面全体、r21z3 では球の断面が共通部分になるので V(r)=πr21+πr213(r2z2)dz である。これを整理して V(r)=π{3(r21)23(r21)3/2} を得る。

(iv) 2r のとき、円柱内の点で球の中心から最も遠いものは、上面の円周上にあり、その距離は 12+(3)2=2 である。したがって r2 なら円柱全体が球に含まれる。よって共通部分は円柱全体であり、V(r)=π123=π3 である。

以上よりV(r)={23πr3(0<r1),2π3{r3(r21)3/2}(1<r3),π{3(r21)23(r21)3/2}(3<r<2),π3(2r)である。

別解

解法2

方針

円柱軸からの距離 ρ を固定した薄い円筒殻で積分する。共通部分の高さは min{3,r2ρ2} であり、積分範囲と高さの切替点を r=1,3,2 ごとに決める。

解答

球の中心を原点、円柱を0ρ1,0z3と置く。半径 ρ、厚さ dρ の円筒殻の周は 2πρ であり、球内での上向きの高さは r2ρ2 である。したがって共通部分の高さはh(ρ)=min{3,r2ρ2}となる。

(i) 0<r1
では 0ρr の球側の高さを積分してV=2π0rρr2ρ2dρ=2π3r3.(ii) 1<r3
では 0ρ1 で球側が上端となるからV=2π01ρr2ρ2dρ=2π3{r3(r21)3/2}.(iii) 3<r<2
では r2ρ2=3 となるρ=r23 で高さが切り替わる。よってV=2π0r23ρ3dρ+2πr231ρr2ρ2dρ=π{3(r21)23(r21)3/2}.(iv) r2
では円柱上面の円周まで球内に入り、円柱全体が共通部分だから V=π3 である。

以上よりV(r)={23πr3(0<r1),2π3{r3(r21)3/2}(1<r3),π{3(r21)23(r21)3/2}(3<r<2),π3(r2).

総評

円柱と球の位置関係を場合分けし、共通部分を積分する難問。目安時間は30〜36分。公式講評では、円柱と半球の双方の一部だけが残る場合の見落とし、r3r2・符号の計算ミス、円柱と円錐の混同が指摘されている。分岐点 1,3,2 がそれぞれ『球が側面へ届く』『上面へ届く』『上面円周まで含む』ことを図で説明する。水平断面法と円筒殻法が同じ区分式になること、および境界3点で式が連続することを検算する。

冊子PDFで見る東北大の積分の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2022年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。