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東北大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

赤玉4個と白玉5個の入った,中の見えない袋がある。
玉はすべて,色が区別できる他には違いはないものとする。
A,Bの2人が,Aから交互に,袋から玉を1個ずつ取り出すゲームを行う。
ただし取り出した玉は袋の中に戻さない。
Aが赤玉を取り出したらAの勝ちとし,その時点でゲームを終了する。
Bが白玉を取り出したらBの勝ちとし,その時点でゲームを終了する。
袋から玉がなくなったら引き分けとし,ゲームを終了する。

(1) このゲームが引き分けとなる確率を求めよ。

(2) このゲームにAが勝つ確率を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

確率場合の数 数え上げ、場合分け

方針

9個の玉を取り出す色順だけを考えると,赤4個の位置を選ぶ 9C4 通りが同様に確からしい。引き分けは,Aの手番すべてが白,Bの手番すべてが赤という1通りだけである。A勝利は,Aの i 回目の手番で初めて赤を引く場合に分ける。その前にはAが白を i1 回,Bが赤を i1 回引いている必要があり,残りの色順は自由に数えられる。別解では,実際の逐次確率を掛けて同じ値を確認する。

解答

(1)
玉は同じ色の中では区別しないので,9回すべて取り出すときの色の並びを考える。赤玉4個の位置を選べば色順は決まるから,可能な色順は 9C4=126 通りであり,これらは同様に確からしい。

引き分けになるには,Aが赤を取らず,Bが白を取らないまま袋が空になる必要がある。Aの手番は1,3,5,7,9番目,Bの手番は2,4,6,8番目であるから,引き分けの色順は W,R,W,R,W,R,W,R,W の1通りだけである。したがって引き分けとなる確率は 1126 である。

(2)
Aが i 回目の手番で勝つ場合を数える。Aは最大5回手番をもつが,5回目までにBが4回赤を取っていると赤玉は残らないので,Aが勝てるのは i=1,2,3,4 の場合だけである。

Aが i 回目の手番で勝つには,それ以前の i1 回のAの手番は白,i1 回のBの手番は赤であり,Aの i 回目が赤でなければならない。この時点までに赤は i 個,白は i1 個使われている。残りの 102i 個の位置には赤が 4i 個入ればよいから,その数は 102iC4i である。

したがってAが勝つ色順の数は8C3+6C2+4C1+2C0=56+15+4+1=76である。よってAが勝つ確率は 76126=3863 である。

別解

別解(ゲーム終了までの条件付き確率を足す)

方針

引き分けは唯一の色順を順に引く確率として求める。Aの勝ちは第1回から第4回のAの手番で初めて赤を引く互いに排反な場合へ分ける。

解答

(1)
引き分けになるには,Aが毎回白,Bが毎回赤を引き,最後にAが残った白を引かなければならない。したがって確率は5948473635242312=5!4!9!=1126.(2)
Aが第1回から第4回の自分の手番で初めて赤を引く確率を順に P1,P2,P3,P4 とする。これらは互いに排反であり,P1=49,P2=594837,P3=5948473625,P4=59484736352413.共通分母を126にするとP1=56126,P2=15126,P3=4126,P4=1126.したがってP1+P2+P3+P4=76126=3863.

総評

交互に玉を取り出す停止ゲームを,9個の色順の数え上げに直す問題。目安時間は15分。Aの勝利条件とBの勝利条件が非対称なので,「終了する前に何が起きていてはいけないか」を手番ごとに固定するのが重要である。引き分けは1通りしかないが,A勝利は勝つ手番によって残りの自由度が変わる。逐次確率でも確認できるが,色順で数えると全体が 9C4 通りにそろい,計算が安定する。 色順の等確率な数え上げと手番ごとの条件付き確率で,引き分け1/126,Aの勝率38/63が一致した。

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出典: 東北大学 2023年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。