方針
和積公式で sin3x+sinx=2sin2xcosx と変形する。零点は sin2x=0 または cosx=0 から得られ,どちらも正の零点全体としては x=kπ/2 にまとまる。(2) は kπ/2≦m を満たす正整数 k の個数を数え,p(m) と 2m/π の差が1未満であることからはさみうちで密度を求める。
解答
(1)
和積公式より f(x)=sin3x+sinx=2sin2xcosx である。したがって f(x)=0 となるのは sin2x=0またはcosx=0 のときである。 sin2x=0 からは 2x=kπ すなわち x=kπ/2 が得られる。また cosx=0 からは x=2(2k+1)π が得られるが,これは x=kπ/2 のうち奇数番目のものに含まれている。よって正の零点全体は x=2kπ(k=1,2,3,…) である。したがって最小のものは 2π である。
(2) f(x)=0 を満たす正の実数 x は 2π, π, 23π,… である。したがって p(m) は 2kπ≦m を満たす正の整数 k の個数である。
この個数は 2m/π の整数部分であるから,床関数を使わずに書けば p(m)≦π2m<p(m)+1 である。両辺を m で割ると π2−m1<mp(m)≦π2 である。m→∞ で左端と右端はともに 2/π に近づくので,はさみうちの原理により m→∞limmp(m)=π2 である。
別解
別解(3倍角公式で零点を統合する)
方針
3倍角公式を用いて f(x) を 4sinxcos2x と因数分解する。二種類の零点を一つの等間隔な列にまとめる。
解答
(1)
3倍角公式sin3x=3sinx−4sin3xを用いるとf(x)=4sinx−4sin3x=4sinx(1−sin2x)=4sinxcos2x.したがって零点はsinx=0またはcosx=0である。正の零点を小さい順に並べると2π, π, 23π, 2π,…すなわちx=2kπ(k=1,2,3,…)である。よって最小のものは2π.(2)
p(m) は2kπ≦mを満たす正整数 k の個数である。したがってπ2m−1<p(m)≦π2m.m>0 で割るとπ2−m1<mp(m)≦π2.はさみうちの原理によりm→∞limmp(m)=π2.
総評
三角関数の零点を数える短い問題。目安時間は10分。和積公式で積に直すと,sin2x=0 と cosx=0 の零点が重なっていることが分かる。重複して数えないよう,零点の集合を π/2 刻みとしてまとめるのが大切である。(2) は個数を厳密に床関数で書かなくても,2m/π との差が1未満であることを示せば極限には十分である。 和積公式と3倍角公式の2通りで零点列x=kπ/2と密度2/πが一致した。
冊子PDFで見る東北大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 2023年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。