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東北大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

原点を出発点として数直線上を動く点Pがある。試行(*)を次のように定める。

(*) 1枚の硬貨を1回投げて,

●表が出た場合は点Pを正の向きに1だけ進める。

●裏が出た場合は1個のさいころを1回投げ,

奇数の目が出た場合は点Pを正の向きに1だけ進め,

偶数の目が出た場合は点Pを負の向きに2だけ進める。

ただし,硬貨を投げたとき表裏の出る確率はそれぞれ12
さいころを投げたとき1から6までの整数の目の出る確率はそれぞれ16とする。
このとき,以下の問いに答えよ。

(1) 試行(*)を3回繰り返した後に,点Pが原点にもどっている確率を求めよ。

(2) 試行(*)を6回繰り返した後に,点Pが原点にもどっている確率を求めよ。

(3) nを3で割り切れない正の整数とする。
試行(*)をn回繰り返した後に,点Pが原点にもどっている確率を求めよ。

難易度4/ 10計算量3/ 10目安10

確率場合の数 数え上げ、場合分け、独立性の利用

方針

1回の試行で実際に起こる移動は,+12 の2種類だけである。まずそれぞれの確率をまとめ,2 になる回数を j とおく。n 回後の位置は,+1nj 回,2j 回なので (nj)2j=n3j である。原点に戻るには n=3j が必要で,(1),(2) では対応する j を二項分布で数え,(3) では n が3で割り切れないため到達不可能と判断する。

解答

1回の試行で点 P が正の向きに1だけ進むのは,硬貨で表が出る場合,または硬貨で裏が出てさいころで奇数が出る場合である。したがってその確率は 12+1236=12+14=34 である。また,負の向きに2だけ進むのは,硬貨で裏が出てさいころで偶数が出る場合なので,その確率は 1236=14 である。よって,1回の試行は +1が確率 34,2が確率 14 で起こると見ればよい。

(1)
3回の試行のうち,2 だけ進む回数を j とする。このとき +1 だけ進む回数は 3j 回であり,3回後の位置は (3j)2j=33j である。原点に戻るには 33j=0 すなわち j=1 であればよい。したがって求める確率は3C1(14)1(34)2=314916=2764である。

(2)
6回の試行のうち,2 だけ進む回数を j とする。このとき6回後の位置は (6j)2j=63j である。原点に戻るには 63j=0 すなわち j=2 であればよい。したがって求める確率は6C2(14)2(34)4=1511681256=12154096である。

(3) n 回の試行のうち,2 だけ進む回数を j とする。このとき +1 だけ進む回数は nj 回であり,n 回後の位置は (nj)2j=n3j である。原点に戻るには n3j=0 すなわち n=3j が必要である。しかし,問題では n は3で割り切れない正の整数であるから,この等式を満たす整数 j は存在しない。したがって原点に戻ることは不可能であり,求める確率は 0 である。

総評

難度4、計算量3、想定時間10分。公式の出題意図どおり、硬貨とさいころの二段階試行を、移動量 +1(確率 3/4)と 2(確率 1/4)の反復試行へ整理する問題である。2 の回数を j とすれば位置は n3j なので、原点へ戻るための必要十分条件は n=3j である。(1)(2) は二項分布、(3) は到達可能性だけで決まる。公式講評が指摘するように、各枝を毎回数え直すより移動量ごとの確率を最初にまとめると計算が短く、(3) の論証も明瞭になる。

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出典: 東北大学 令和7年度一般選抜(前期日程)文系・理系共通(公式問題・出題意図・講評)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。