方針
a=(5−1)/2 は a2+a=1 を満たすので,まず因数分解を直接確認する。(2) は f(α)=0 と(1)から α5=1,α=1 を得る。さらに解の積が1で虚数解なので ∣α∣=1,α+α−1=a=2cos(2π/5) と読み,虚部正から偏角 2π/5 を選ぶ。(3) は指数を5で割った余りに直して三角関数で計算する。
解答
(1) a=25−1 であるから a2+a=1 が成り立つ。実際,a2=(3−5)/2 である。
ここで (x2−ax+1)(x2+(a+1)x+1) を展開すると,x4+x3+(2−a2−a)x2+x+1 である。a2+a=1 より 2−a2−a=1 なので (x2−ax+1)(x2+(a+1)x+1)=x4+x3+x2+x+1 である。したがって x4+x3+x2+x+1 は f(x) で割り切れる。
(2) f(x)=0 の虚数解のうち虚部が正のものを α とする。(1)より α4+α3+α2+α+1=0 である。また α=1 なら左辺は 5 であり矛盾する。したがって (α−1)(α4+α3+α2+α+1)=α5−1=0 より α5=1,α=1 である。
一方,f(x)=x2−ax+1 の2つの解の積は1である。係数は実数なので2つの虚数解は共役であり,その積は ∣α∣2 に等しい。よって ∣α∣=1 である。さらに f(α)=0 を α で割ると α+α−1=a=25−1=2cos52π である。 ∣α∣=1 で虚部が正だから α=cosθ+isinθ,0<θ<π と書ける。このとき α+α−1=2cosθ なので cosθ=cos52π である。0<2π/5<π だから θ=52π である。したがって α=cos52π+isin52π である。
(3) α5=1 であり,2023 を 5 で割ると余りは 3 である。よって α2023+α−2023=α3+α−3 である。(2)の極形式から α3+α−3=2cos56π である。cos(6π/5)=−cos(π/5),2cos(π/5)=(1+5)/2 より α2023+α−2023=−21+5 である。
別解
別解(f(x) を法とする剰余計算)
方針
x2=ax−1 を繰り返して4次式の剰余を直接0にする。根については5乗根の偏角と解の和の符号から該当する根を選ぶ。
解答
(1) a2+a=1である。f(x)=0,すなわちx2=ax−1という関係を用いて高次の項を順に下げるとx3=ax2−x=(a2−1)x−a=−ax−a,x4=−ax2−ax=−(a2+a)x+a=−x+a.よって f(x) を法としてx4+x3+x2+x+1≡(−x+a)+(−ax−a)+(ax−1)+x+1=0.したがってこの4次式は f(x) で割り切れる。
(2)
f(α)=0 だから (1) よりα4+α3+α2+α+1=0.α=1 なのでα5−1=(α−1)(α4+α3+α2+α+1)=0,すなわち α5=1 である。
また二根の積は1で,係数が実数だから二根は共役である。よって∣α∣2=1,∣α∣=1.虚部が正の5乗根の候補は偏角 2π/5,4π/5 の二つである。一方,二根の和はα+α=a>0だから α の実部は正である。よって偏角は 2π/5 であり,α=cos52π+isin52π.(3)
2023≡3(mod5) よりα2023+α−2023=α3+α−3=2cos56π.2cos5π=21+5を用いてα2023+α−2023=−21+5.
総評
5乗根と2次式を結びつける複素数平面の標準問題。目安時間は17分。a2+a=1 を使った因数分解が出発点で,そこから α5=1 を得る。極形式では,解の積が1であることから ∣α∣=1 を確認し,α+α−1=2cosθ と読むのが安全である。最後は指数を5で割った余りに戻すだけだが,虚部正で選んだ偏角を保って計算する。 因数分解とf(x)を法とする剰余計算で5乗根を導き,最終値も一致した。
冊子PDFで見る東北大の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 2023年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。