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東北大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

実数a=512に対して,整式f(x)=x2ax+1を考える。

(1) 整式x4+x3+x2+x+1f(x)で割り切れることを示せ。

(2) 方程式f(x)=0の虚数解であって虚部が正のものをαとする。αを極形式で表せ。
ただし,r5=1を満たす実数rr=1のみであることは,認めて使用してよい。

(3) 設問(2)の虚数αに対して,α2023+α2023の値を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安17

複素数平面数と式 展開・因数分解、複素数の極形式、計算整理

方針

a=(51)/2a2+a=1 を満たすので,まず因数分解を直接確認する。(2) は f(α)=0 と(1)から α5=1α1 を得る。さらに解の積が1で虚数解なので α=1α+α1=a=2cos(2π/5) と読み,虚部正から偏角 2π/5 を選ぶ。(3) は指数を5で割った余りに直して三角関数で計算する。

解答

(1) a=512 であるから a2+a=1 が成り立つ。実際,a2=(35)/2 である。

ここで (x2ax+1)(x2+(a+1)x+1) を展開すると,x4+x3+(2a2a)x2+x+1 である。a2+a=1 より 2a2a=1 なので (x2ax+1)(x2+(a+1)x+1)=x4+x3+x2+x+1 である。したがって x4+x3+x2+x+1f(x) で割り切れる。

(2) f(x)=0 の虚数解のうち虚部が正のものを α とする。(1)より α4+α3+α2+α+1=0 である。また α=1 なら左辺は 5 であり矛盾する。したがって (α1)(α4+α3+α2+α+1)=α51=0 より α5=1,α1 である。

一方,f(x)=x2ax+1 の2つの解の積は1である。係数は実数なので2つの虚数解は共役であり,その積は α2 に等しい。よって α=1 である。さらに f(α)=0α で割ると α+α1=a=512=2cos2π5 である。 α=1 で虚部が正だから α=cosθ+isinθ0<θ<π と書ける。このとき α+α1=2cosθ なので cosθ=cos2π5 である。0<2π/5<π だから θ=2π5 である。したがって α=cos2π5+isin2π5 である。

(3) α5=1 であり,20235 で割ると余りは 3 である。よって α2023+α2023=α3+α3 である。(2)の極形式から α3+α3=2cos6π5 である。cos(6π/5)=cos(π/5)2cos(π/5)=(1+5)/2 より α2023+α2023=1+52 である。

別解

別解(f(x) を法とする剰余計算)

方針

x2=ax1 を繰り返して4次式の剰余を直接0にする。根については5乗根の偏角と解の和の符号から該当する根を選ぶ。

解答

(1) a2+a=1である。f(x)=0,すなわちx2=ax1という関係を用いて高次の項を順に下げるとx3=ax2x=(a21)xa=axa,x4=ax2ax=(a2+a)x+a=x+a.よって f(x) を法としてx4+x3+x2+x+1(x+a)+(axa)+(ax1)+x+1=0.したがってこの4次式は f(x) で割り切れる。

(2)
f(α)=0 だから (1) よりα4+α3+α2+α+1=0.α1 なのでα51=(α1)(α4+α3+α2+α+1)=0,すなわち α5=1 である。

また二根の積は1で,係数が実数だから二根は共役である。よってα2=1,α=1.虚部が正の5乗根の候補は偏角 2π/5,4π/5 の二つである。一方,二根の和はα+α=a>0だから α の実部は正である。よって偏角は 2π/5 であり,α=cos2π5+isin2π5.(3)
20233(mod5) よりα2023+α2023=α3+α3=2cos6π5.2cosπ5=1+52を用いてα2023+α2023=1+52.

総評

5乗根と2次式を結びつける複素数平面の標準問題。目安時間は17分。a2+a=1 を使った因数分解が出発点で,そこから α5=1 を得る。極形式では,解の積が1であることから α=1 を確認し,α+α1=2cosθ と読むのが安全である。最後は指数を5で割った余りに戻すだけだが,虚部正で選んだ偏角を保って計算する。 因数分解とf(x)を法とする剰余計算で5乗根を導き,最終値も一致した。

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出典: 東北大学 2023年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。