方針
漸化式には定数解 an=1 があるので,an−1 に注目する。すると an+1−1=n(an−1)/(n+2) となり,積が 2/(n(n+1)) に簡約される。(2) は一般項を足し,1/(n(n+1))=1/n−1/(n+1) の部分分数分解で和を消す。m は正の整数なので,最後に m で割ってよい。
解答
(1)
与えられた漸化式は (n+2)an+1=nan+2 である。両辺から n+2 を引くと (n+2)(an+1−1)=n(an−1) となる。したがって an+1−1=n+2n(an−1) である。
これを繰り返すと,n≧2 について an−1=3⋅4⋯(n+1)1⋅2⋯(n−1)(s−1) である。分子と分母を整理すると 3⋅4⋯(n+1)1⋅2⋯(n−1)=n(n+1)2 であるから,n=1 の場合も含めて an=1+n(n+1)2(s−1) である。
(2)
(1)よりn=1∑man=n=1∑m{1+n(n+1)2(s−1)}=m+2(s−1)n=1∑mn(n+1)1である。ここで n(n+1)1=n1−n+11 だから n=1∑mn(n+1)1=1−m+11=m+1m である。
したがって ∑n=1man=0 は 0=m+2(s−1)m+1m と同値である。m は正の整数なので m>0 であり,両辺を m で割って 0=1+m+12(s−1) となる。よって 2(s−1)=−(m+1) であり,s=1−2m+1=21−m である。
別解
別解(不変量を帰納的に保つ)
方針
定数解1との差を取り,n(n+1)(an−1) が n によらないことを示す。和は部分分数分解で望遠和にする。
解答
(1)
漸化式から(n+2)(an+1−1)=n(an−1)を得る。両辺に n+1 を掛けると(n+1)(n+2)(an+1−1)=n(n+1)(an−1).したがってbn=n(n+1)(an−1)は一定である。初項はb1=2(s−1)だからn(n+1)(an−1)=2(s−1).よってan=1+n(n+1)2(s−1).(2)n(n+1)1=n1−n+11よりn=1∑mn(n+1)1=1−m+11=m+1m.したがって0=n=1∑man=m+2(s−1)m+1m.m>0 なので m で割り,1+m+12(s−1)=0.これを解いてs=21−m.
総評
係数つき漸化式を定数解との差で処理する標準問題。目安時間は15分。an=1 が特別な解であることに気づくと,an−1 がきれいな積で表せる。積の分母が 3 から n+1 までになるため,2/(n(n+1)) への整理を丁寧に書くとよい。(2) は部分分数分解で和が望ましく消えるため,計算量は小さい。 積の反復と不変量の帰納法で一般項を再現し,s=(1−m)/2が一致した。
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出典: 東北大学 2023年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。