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東京大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

サイコロが1の目を上面にして置かれている。向かい合う一組の面の中心を通る直線のまわりに 90 回転する操作を繰り返す。各回ごとに、回転軸と回転方向はそれぞれ同様に確からしく選ぶ。

n 回の操作後に1の目が上面にある確率を pn、側面のどこかにある確率を qn、底面にある確率を rn とする。

(1) p1,q1,r1 を求めよ。

(2) pn,qn,rnpn1,qn1,rn1 で表せ。

(3) p=limnpn,q=limnqn,r=limnrnを求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安24

確率数列 確率漸化式状態分類極限計算

方針

1の目が上面、側面、底面のどこにあるかだけを状態として見る。各回の操作は、3本の軸と2つの向きで合計6通りあり、どれも同じ確率で起こる。上面・側面・底面それぞれから次にどこへ移るかを数え、3項の漸化式を作る。極限は、漸化式で pn,qn,rnp,q,r に置き換え、p+q+r=1 と合わせて解く。

解答

(1)
回転軸は3本、回転方向は2通りで、計6通りである。上下面を貫く軸を選ぶ2通りでは1の目は上面に残り、他の4通りでは側面へ移る。よってp1=13,q1=23,r1=0.(2)
上面または底面からは、確率 1/3 で同じ位置に残り、確率 2/3 で側面へ移る。側面からは、確率 1/6 ずつで上面・底面へ、確率 2/3 で側面へ移る。したがってpn=13pn1+16qn1,qn=23pn1+23qn1+23rn1,rn=16qn1+13rn1.(3)pn1+qn1+rn1=1 だからqn=23(n1).また第1式と第3式の差からpnrn=13(pn1rn1)=3n.pn+rn=1/3 と合わせるとpn=16+123n,rn=16123n.ゆえにp=16,q=23,r=16.

別解

解法2(上下方向の数値を追う)

方針

1の目の位置に、上面なら1、側面なら0、底面なら 1 を対応させる。この値とその平方の期待値を追うと、上下面の確率和と差が直接求まる。

解答

(1)
6通りの回転のうち2通りで上面に残り、4通りで側面へ移るからp1=13,q1=23,r1=0.(2)
上面・側面・底面からの6通りを数えるとpn=13pn1+16qn1,qn=23pn1+23qn1+23rn1,rn=16qn1+13rn1.(3)
n 回後の1の目に対しZn={1(上面),0(側面),1(底面)と定める。このときE[Zn]=pnrn,E[Zn2]=pn+rn.現在の位置がどこであっても、6通りの回転のうち2通りで次の Z は現在と同じ符号を保ち、残る寄与は正負が打ち消す。よってE[ZnZn1]=13Zn1.Z0=1 だからpnrn=E[Zn]=3n.(1)また現在の位置がどこであっても、次に1の目が上面または底面に来る回転は6通り中2通りである。したがってpn+rn=E[Zn2]=13(n1).(2)(1), (2) からpn=16+123n,rn=16123n,qn=23.ゆえにp=16,q=23,r=16.

総評

難度5、計算量4、目安24分。1の目の位置だけを上面・側面・底面の3状態にまとめる。遷移確率の漸化式と、上下方向の値 Zn の期待値を追う方法で一般項まで求め、極限の存在も同時に示した。

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出典: 東京大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。