方針
独立性から P(X+Y=n) を畳み込み ∑k=0npkpn−k として表す。条件よりこれが (n+1)pn+1 に等しいので,n=0 から始めて帰納法で pn=p0n+1 を示す。最後に確率の総和が1であることから p0 を決め,平均値は等比級数の和で求める。
解答
条件より,任意の n≧0 について P(X+Y=n)=(n+1)pn+1 である。一方,X と Y は独立であり,どちらも同じ分布 pn をもつので P(X+Y=n)=k=0∑nP(X=k)P(Y=n−k)=k=0∑npkpn−k である。したがって k=0∑npkpn−k=(n+1)pn+1 が成り立つ。
まず n=0 とすると p02=p1 である。ここから pn=p0n+1 を数学的帰納法で示す。 0≦k≦n で pk=p0k+1 が成り立っていると仮定する。このとき(n+1)pn+1=k=0∑npkpn−k=k=0∑np0k+1p0n−k+1=(n+1)p0n+2である。よって pn+1=p0n+2 である。したがってすべての n≧0 で pn=p0n+1 が成り立つ。
確率の総和が1なので 1=n=0∑∞pn=n=0∑∞p0n+1 である。p0=0 なら総和は0になり不適であり,確率の総和が有限であるため 0<p0<1 である。したがって n=0∑∞p0n+1=1−p0p0=1 より p0=21 である。ゆえに pn=2n+11(n=0,1,2,…) である。
最後に平均値を求める。n=0∑∞npn=n=1∑∞2n+1n=21n=1∑∞n(21)nである。∣r∣<1 に対して n=1∑∞nrn=(1−r)2r を用いると,r=1/2 より n=1∑∞n(21)n=2 である。したがって n=0∑∞npn=1 である。
別解
解法2
方針
畳み込みの漸化式を最初の数項から読み、pn=p0n+1 を帰納法で確定する。規格化条件から p0 を決め、平均は等比級数をずらして差を取る方法で求める。
解答
独立性より(n+1)pn+1=k=0∑npkpn−k.(1)n=0 で p1=p02 である。(1)へ pk=p0k+1 を代入すれば右辺は (n+1)p0n+2 になるので、帰納法によりpn=p0n+1である。∑pn=1 であるから 0<p0<1 であり1=1−p0p0.よってp0=21,pn=2n+11.平均を M=n=1∑∞n/2n+1 とおく。添字をずらして M/2 を引けば2M=n=1∑∞2n+11=21,したがってM=1.
総評
難易度は7,計算量は5程度である。想定時間は22分から32分程度。独立性の使いどころは X+Y=n の確率を畳み込みで書く部分である。そこから (n+1)pn+1 と結びつけると,帰納法で等比形が強制される。p0 を決めるときは p0/(1−p0)=1 だけでなく,0<p0<1 である理由を添えると無限和の扱いが明確になる。平均値は最後まで式で確認する。
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出典: 東京大学 1985年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。