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東京大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

0または正の整数の値をとる変数XYがある.
Xが整数n (n0)の値をとる確率と,
Yが整数n (n0)の値をとる確率は,
ともにpnであるとする.
(ここで,n=0pn=1である.)

いま,任意の整数mn (m0,n0)に対して,
X=mなる事象とY=nなる事象は独立であり,
また,X+Y=nとなる確率は(n+1)pn+1に等しいという.
このとき,pn (n=0,1,2,)n=0npnの値を求めよ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安25

確率数列 漸化式の変形数学的帰納法、期待値

方針

独立性から P(X+Y=n) を畳み込み k=0npkpnk として表す。条件よりこれが (n+1)pn+1 に等しいので,n=0 から始めて帰納法で pn=p0n+1 を示す。最後に確率の総和が1であることから p0 を決め,平均値は等比級数の和で求める。

解答

条件より,任意の n0 について P(X+Y=n)=(n+1)pn+1 である。一方,XY は独立であり,どちらも同じ分布 pn をもつので P(X+Y=n)=k=0nP(X=k)P(Y=nk)=k=0npkpnk である。したがって k=0npkpnk=(n+1)pn+1 が成り立つ。

まず n=0 とすると p02=p1 である。ここから pn=p0n+1 を数学的帰納法で示す。 0knpk=p0k+1 が成り立っていると仮定する。このとき(n+1)pn+1=k=0npkpnk=k=0np0k+1p0nk+1=(n+1)p0n+2である。よって pn+1=p0n+2 である。したがってすべての n0pn=p0n+1 が成り立つ。

確率の総和が1なので 1=n=0pn=n=0p0n+1 である。p0=0 なら総和は0になり不適であり,確率の総和が有限であるため 0<p0<1 である。したがって n=0p0n+1=p01p0=1 より p0=12 である。ゆえに pn=12n+1(n=0,1,2,) である。

最後に平均値を求める。n=0npn=n=1n2n+1=12n=1n(12)nである。r<1 に対して n=1nrn=r(1r)2 を用いると,r=1/2 より n=1n(12)n=2 である。したがって n=0npn=1 である。

別解

解法2

方針

畳み込みの漸化式を最初の数項から読み、pn=p0n+1 を帰納法で確定する。規格化条件から p0 を決め、平均は等比級数をずらして差を取る方法で求める。

解答

独立性より(n+1)pn+1=k=0npkpnk.(1)n=0p1=p02 である。(1)へ pk=p0k+1 を代入すれば右辺は (n+1)p0n+2 になるので、帰納法によりpn=p0n+1である。pn=1 であるから 0<p0<1 であり1=p01p0.よってp0=12,pn=12n+1.平均を M=n=1n/2n+1 とおく。添字をずらして M/2 を引けばM2=n=112n+1=12,したがってM=1.

総評

難易度は7,計算量は5程度である。想定時間は22分から32分程度。独立性の使いどころは X+Y=n の確率を畳み込みで書く部分である。そこから (n+1)pn+1 と結びつけると,帰納法で等比形が強制される。p0 を決めるときは p0/(1p0)=1 だけでなく,0<p0<1 である理由を添えると無限和の扱いが明確になる。平均値は最後まで式で確認する。

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出典: 東京大学 1985年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。