Evolton

東京大学 1988年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

f(x)=x3x2 とする。点 A(1,0) における接線が曲線と再び交わる点を B とする。2次関数 g(x)=ax2+bx+cA,B と,その間のもう1点で曲線 y=f(x) と交わるとき,囲まれる面積を最小にする a,b,c とその面積を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

関数積分 接線・法線面積計算微分による最大最小

方針

まず点 A における接線を求め、再交点 B を出す。2次関数 g と3次関数 f の差は3次式で、交点の x 座標 1,1,t を根にもつので、g(x)f(x)=(1x2)(xt) とおける。面積は符号が x=t で変わることに注意して絶対値付き積分に直し、1<t<1 の範囲で最小化する。

解答

まず f(x)=3x22x である。点 A(1,0) における接線の傾きは f(1)=1 だから、接線は y=x1 である。この直線と曲線 y=f(x) の交点を求めると x3x2=x1 すなわち x3x2x+1=0 である。左辺は x3x2x+1=(x1)2(x+1) と因数分解できるので、接点 x=1 以外の交点は x=1 である。したがって B=(1,f(1))=(1,2) である。

2次関数 g(x)=ax2+bx+cf(x)A,B と、その間のもう1点で交わる。もう1点の x 座標を t とおくと 1<t<1 であり、g(x)f(x)x=1,t,1 を根にもつ3次式である。g(x)f(x) の最高次の係数は 1 だから g(x)f(x)=(x+1)(x1)(xt)=(1x2)(xt) である。よって g(x)=f(x)+(1x2)(xt) であり、整理すると g(x)=x3x2+xtx3+tx2=(t1)x2+xt である。

したがって a=t1,b=1,c=t である。

次に囲まれる面積を求める。1<x<1 では 1x2>0 なのでS(t)=1t(1x2)(xt)dx+t1(1x2)(xt)dx=t4+6t2+36.微分するとS(t)=23t(3t2).1<t<1 では 3t2>0 だから、S(t)t=0 で最小になる。
このときg(x)=x2+x,したがって(a,b,c)=(1,1,0),Smin=12.

別解

解法2:面積の微分を積分の形のまま判定する

方針

交点の第3の横座標を t と置くところまでは同じだが、面積を4次式へ展開しない。重み 1x2 と点 t の距離の積分と見て、微分の符号を対称性から決める。

解答

接線と曲線の再交点は B=(1,2) である。
第3の交点の x 座標を t とすると1<t<1であり、最高次係数を比べてg(x)f(x)=(1x2)(xt).よってg(x)=(t1)x2+xt.囲まれる面積はS(t)=11(1x2)xtdx.t を少し動かしたとき、x<t の部分では距離が増え、
x>t の部分では距離が減るのでS(t)=1t(1x2)dxt1(1x2)dx=20t(1x2)dx=2t23t3.1<t<1 では S(t) の符号は t の符号と一致する。
したがって最小は t=0 のときである。

このとき(a,b,c)=(1,1,0).面積は対称性からS(0)=201x(1x2)dx=12.

総評

難度は10段階で6、計算量は10段階で5程度。試験場では30分程度。接線の再交点を出した後、gf の根を 1,t,1 と置く発想が中心である。面積計算では x=t を境に上下関係が入れ替わるため、絶対値を外す向きを間違えないことが重要である。最後の最小化は重い式に見えるが、1<t<1 では 3t2>0 と見れば増減はすぐ決まる。

冊子PDFで見る東大の関数の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 1988年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。