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東京大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

(x,y)を点(x+a,y+b)にうつす平行移動によって
曲線y=x2を移動して得られる曲線をCとする.
Cと曲線y=1xx>0が接するようなabを座標とする
(a,b)の存在する範囲の概形を図示せよ.

また,この二曲線が接する点以外に共有点を持たないようなabの値を求めよ.
ただし,二曲線がある点で接するとは,その点で共通の接線を持つことである.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安21

関数図形と方程式微分 接線・法線、パラメータ処理、軌跡

方針

平行移動後の放物線は y=(xa)2+b である。接点を (t,1t)t>0 とおき、値の一致と接線の傾きの一致を立てて a,bt で表す。存在範囲はこの媒介変数表示の曲線であり、t0+t=1t の挙動を押さえて概形を描く。接点以外の共有点の有無は、共有点を与える3次方程式を (xt)2 で割った残りの根で判定する。

解答

平行移動後の放物線 Cy=(xa)2+b である。Cy=1x(t,1t) で接するとする。ただし t>0 である。

値が一致する条件は (ta)2+b=1t である。また傾きが一致する条件は 2(ta)=1t2 である。後者より a=t+12t2 であり、これを前者に代入すると b=1t14t4 となる。したがって存在範囲はa=t+12t2,b=1t14t4(t>0)で表される曲線である。

概形を確認する。t0+ では ab である。t=1 では (a,b)=(32,34) であり、t では ab0+ である。またdadt=11t3,dbdt=1t2+1t5なので、t=1a は最小、b は最大になる。したがって曲線は右下から上がって (32,34) に達し、その後、右へ下がりながら b=0 に近づく。

次に、接点以外の共有点を調べる。共有点の x 座標は x{(xa)2+b}1=0 を満たす。上で得た a,b を代入すると x{(xa)2+b}1=(xt)2(t2x1)t2 と因数分解される。x=t は接点なので重解であり、残りの共有点の候補は x=1t2 である。接点以外に共有点を持たないためには、この根が接点の x 座標と一致すればよい。すなわち 1t2=t である。t>0 より t=1 となる。よって a=32,b=34 である。

別解

解法2:二曲線の差の極値として接触を捉える

方針

関数 ha(x)=1/x(xa)2 を考えると、放物線との共有点は ha(x)=b、接触は ha(x)=0 に対応する。停留点を t として a,b を求め、水平線 y=b との残りの交点を因数分解で判定する。

解答

x>0ha(x)=1x(xa)2とおく。二曲線の共有点は ha(x)=b を満たし、接する点ではさらに ha(x)=0 である。接点を x=t>0 とすると1t22(ta)=0よりa=t+12t2.またb=ha(t)=1t14t4.したがって存在範囲は(a,b)=(t+12t2,1t14t4)(t>0)で表される曲線である。dadt=11t3,dbdt=1t2+1t5なので、t=1a は最小、b は最大となる。両端の極限と合わせると、曲線は右下から (3/2,3/4) へ上がり、その後は右へ進みながら b=0 の上側へ近づく。

共有点の方程式へ上の a,b を代入するとx{(xa)2+b}1=(xt)2(t2x1)t2.正の根 x=1/t2 が接点 x=t と一致するときに限って、接点以外の共有点がない。よって t3=1、すなわち t=1 でありa=32,b=34.

総評

難度7、計算量7、目安時間21分。接点の座標を媒介変数にする方法と、二曲線の差の停留値として接触を捉える方法で軌跡を相互確認した。概形には両端の極限、t=1 での折返し、b=0 への近づき方を反映する。後半は残りの正の根が接点と一致する必要十分条件まで書く。

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出典: 東京大学 1987年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。