Evolton

東京大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

tの関数f(t)f(t)=1+2at+b(2t21)とおく.

区間1t1のすべてのtに対してf(t)0であるようなabを座標とする点(a,b)
存在する範囲を図示せよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安18

関数方程式・不等式 場合分け、範囲評価

方針

f(t)=2bt2+2at+1b を区間 [1,1] 上の2次式として扱う。b0 なら上に凸なので最小は端点、b>0 なら下に凸なので端点条件に加えて、頂点が区間内に入る場合は頂点での値も見る。0<b13 では端点条件だけで頂点条件も自動的に満たされ、b13 では頂点条件 a22b(1b) が境界になる。

解答

与えられた関数は f(t)=2bt2+2at+1b である。

b0 の場合】
このとき f(t) は上に凸、または1次式である。区間 [1,1] での最小値は端点のどちらかでとる。したがって f(1)=1+b+2a0, f(1)=1+b2a0 が必要十分である。これは a1+b2 を意味する。右辺が0以上でなければならないので、b1 も必要である。よって 1b0,a1+b2 である。

b>0 の場合】
このとき f(t) は下に凸である。まず端点で非負であるためには、同じく a1+b2 が必要である。頂点は t=a2b である。 0<b13 では、端点条件 a1+b2 のもとで、頂点が区間内に入る場合にも f(a2b)=1ba22b0 が自動的に成り立つ。実際、a2b なら a24b22b(1b) である。したがって 0<b13,a1+b2 でよい。 b13 では、端点条件だけでは頂点で負になることがある。頂点が区間内にある範囲での条件は 1ba22b0 すなわち a22b(1b) である。この条件が成り立つには b1 である。よって 13b1,a22b(1b) となる。

以上をまとめると、求める範囲は 1b13,a1+b2 で表される部分と、13b1,a22b(1b) で表される部分の和集合である。図示では、前者は直線 a=±1+b2 に挟まれた領域、後者は放物線型の境界 a2=2b(1b) の内側であり、両者は b=13 で滑らかにつながる。

別解

解法2:平方完成後に頂点の位置で分ける

方針

端点条件を先に a(1+b)/2 とまとめる。b>0 では平方完成し、頂点が区間外なら端点条件、区間内なら頂点条件 a22b(1b) を使う。二条件の境界が b=1/3 で交わることを確認する。

解答

まず端点で非負であるための条件は1+b±2a0,すなわちa1+b2.したがって必ず b1 である。

b0 なら f(t) は上に凸または1次式なので、端点条件だけで十分である。よって1b0,a1+b2.b>0 ならf(t)=2b(t+a2b)2+1ba22b.頂点が区間内にある条件は a2b であり、その場合の条件はa22b(1b).一方、頂点が区間外なら最小値は端点でとるので、先の端点条件だけでよい。

0<b1/3 では、頂点が区間内ならa24b22b(1b)となり、端点条件だけで十分である。b1/3 では頂点条件が境界となり、この条件から b1 も従う。

したがって求める領域は1b13,a1+b213b1,a22b(1b)の和集合である。

総評

難度7、計算量6、目安時間18分。区間上の2次式の最小値を、端点と頂点に分けて調べる領域問題である。b00<b1/31/3b1 の境界を、頂点の位置と値から必要十分に導く。最終領域が a 軸方向に対称で、b=1/3 で二つの境界が連続することも図で確認する。

冊子PDFで見る東大の関数の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 1987年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。