方針
基準となる2点の像を成分で置く。象限条件から得る符号を用いて消去係数が正であることを示し、逆変換を連立一次方程式の解として明示する。
解答
と置く。一次変換の性質からである。3条件はと同値である。
ここで右辺の2項はともに正なので とすると第1式を 倍したものから第2式を 倍したものを引き、
第2式を 倍したものから第1式を 倍したものを引くと だから、任意の に対してがただ1組定まる。したがって には逆変換が存在する。
さらに なら、 はすべて正なのでよって であり、点 も第1象限の内部にある。
別解
解法2:正の量に置き換えて符号の矛盾を示す
方針
負の成分を正の文字へ置き換えると、3条件は2組の大小関係になる。像が第1象限なのに元の座標が正でないと仮定し、2つの比に互いに矛盾する大小関係を導く。
解答
正の数 を用いてと書く。条件 (iii) からである。したがってまず とする。もし なら、からを得る。しかし かつ なので であり、矛盾する。
よって原点へ移る点は原点だけである。一次変換ではこのことから連立式を一意に逆向きに解けるので、逆変換が存在する。
次にとする。 と仮定すると、第1式から も従う。
と置けばしたがってところが なので不可能である。ゆえに 。
同様に と仮定しても が導かれて同じ矛盾を生じるから、 である。
総評
難度5、計算量4。一次変換を2本の連立一次式として読み、象限条件を係数の符号へ正確に移す問題で、想定時間は20分程度。原問題は行列を明示していないため、行列や行列式には頼らず、消去計算と比の矛盾の2方法で逆変換と第1象限の保存を示した。