方針
三角形の向きが固定されているので、動きは平行移動だけである。まず の場合を考えると、三角形が通過し得る範囲は正三角形とその反対向きの正三角形を重ねた正六角形になる。半径 の円に外接しながら動かす場合は、この正六角形を距離 だけ外側へふくらませた図形になり、面積は正六角形部分、辺に沿う帯、角の丸みの和で求める。
解答
三角形の向きは条件(ii)により常に一定である。したがって の動きは平行移動だけである。
まず の場合を考える。円 が1点に縮んだと見れば、三角形はその点を境界上に置きながら、内部には含まないように動く。ある点 が三角形の通過範囲に入ることは、三角形のある点を原点に合わせたときに が三角形内に入ることと同じである。したがって通過範囲は、もとの正三角形と向きの反対の正三角形を重ねてできる正六角形である。この正六角形の一辺は であり、正三角形 の面積を とすると、その面積は である。
半径 の円の場合は、上で得た正六角形を外側へ距離 だけふくらませた図形が通過範囲になる。図示すれば、一辺 の正六角形の各辺の外側に幅 の帯を付け、6つの頂点を半径 の円弧で丸めた形である。
正六角形の周の長さは だから、辺に沿って増える面積は である。また6つの頂点で増える円弧部分を合わせると、外角の和が であるため、半径 の円1個分の面積 になる。よって通過し得る範囲の面積 は である。
したがって であり、 は一定だから である。
総評
図形の移動範囲を考える問題で、計算よりも見取り図の作り方が重要である。目安は18分程度。三角形は回転しないので、まず の極端な場合で正六角形が出ることに気づくと全体が見える。半径 では、その正六角形を外側に幅 だけ広げた図形になり、面積増加を「周長 の帯」と「角を合わせた円1個分」に分けるのが要点である。