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東京大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

直角をはさむ2辺の長さがともに 1 である直角二等辺三角形がある。この三角形を,その三角形と同じ平面上にある直線のまわりに1回転してできる立体の体積を考える。ただし,この直線と三角形との共通部分は,三角形の1つの頂点または1つの辺だけであるとする。

この体積の最大値と最小値を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

図形と方程式積分 体積計算図形的解釈、範囲評価

方針

回転軸が三角形の内部を通らず、接するだけなので、薄い帯に分けると体積は三角形の面積と重心から軸までの距離で表せる。面積は一定だから、問題は許される支持直線と重心との距離の最大・最小に帰着する。最小は辺を含む直線、最大は頂点を通る支持直線で、重心とその頂点を結ぶ線分に垂直な直線を考える。

解答

直角二等辺三角形を、頂点 (0,0),(1,0),(0,1) をもつ三角形としてよい。この三角形の面積は 12 であり、重心は G=(13,13) である。

回転軸は三角形の内部を通らず、三角形と1つの頂点または1つの辺だけを共有する。三角形を回転軸に平行な細い帯に分けると、軸から距離 r にある面積要素は、回転によりおよそ周長 2πr をもつ薄い立体を作る。これを全体で足し合わせると、体積は 2π(三角形の面積)(重心から軸までの距離) である。三角形の面積は 12 だから、体積は V=πd となる。ただし d は重心 G から回転軸までの距離である。

したがって、許される直線のうち G からの距離の最大・最小を求めればよい。3辺を含む直線への距離は、それぞれ y=0:13, x=0:13, x+y=1:13+1312=132 である。よって最小距離は 132 である。

最大距離を考える。支持直線が1つの頂点を通るとき、重心からその直線までの距離は、重心とその頂点との距離を超えない。等号は、その直線が重心と頂点を結ぶ直線に垂直なときに成り立つ。各頂点と重心との距離は (0,0):23, (1,0):(23)2+(13)2=53, (0,1):53 である。したがって最大距離は 53 である。この距離は、例えば頂点 (1,0) を通り、直線 G(1,0) に垂直な支持直線で実現できる。

以上より、体積の最小値は π32 であり、最大値は 5π3 である。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。回転体の体積を直接積分するより、面積と重心距離に分けると一気に整理できる。ただし軸が三角形に接する支持直線であることを使い、内部を横切る直線を候補に入れないことが重要である。試験場では18分程度で、最大距離が頂点からの距離で抑えられる理由まで述べたい。

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出典: 東京大学 1990年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。