Evolton

東京大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

三つの実数xyzのうち最大の数をmax(x,y,z)で表し,最小の数をmin(x,y,z)で表す.
いま,次の条件をみたすxyzを座標とする点全体の集合をRとする.x0,y0,z0max(x,y,z)ax+y+zmin(x,y,z)a+bRの体積を求めよ.
ただし,abは定数で,a>b>0とする.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安24

図形と方程式積分 場合分け、体積計算対称性の利用

方針

条件 x+y+zmin(x,y,z)a+b は、3数のうち大きい2つの和が a+b 以下であることを表す。領域は座標の入れ替えで対称なので、0zyxa の部分を計算して6倍する。この順序では条件は x+ya+byb では上限が x=abya+b2 では上限が x=a+by に変わる。

解答

条件 max(x,y,z)a と非負条件から 0x,y,za である。また x+y+zmin(x,y,z) は、3数のうち大きい方から2つの和である。したがって R は、立方体 0x,y,za の中で、大きい2つの和が a+b 以下となる部分である。

領域は x,y,z の入れ替えに関して対称である。境界面上の重なりは体積に影響しないので、0zyxa の部分を求めて6倍する。この部分では大きい2つは x,y なので、条件は x+ya+b である。

固定した y に対して、z0zy を動くので長さは y である。また xyxa,xa+by を満たす。ここで a+bya となるのは yb のときである。よって順序を固定した部分の体積は0byaydxdy+b(a+b)/2ya+byydxdyである。これを計算すると0by(ay)dy+b(a+b)/2y(a+b2y)dy=a3+3a2b+3ab23b324.したがって全体の体積はこの6倍で、V=a3+3a2b+3ab23b34 である。

別解

解法2:立方体から禁止領域を包除する

方針

領域は立方体 [0,a]3 のうち全ての二数の和が a+b 以下となる部分である。補集合を x+y>a+by+z>a+bz+x>a+b の和集合として、単独・二重・三重の体積を包除原理で計算する。

解答

d=ab>0 とおく。R の補集合を立方体 0x,y,za 内でExy={x+y>a+b},Eyz,Ezxの和集合として表す。

まず Exyxy 平面上の断面は、一辺 d の直角二等辺三角形である。したがってExy=ad22.また ExyExz では、固定した x に対しb<x<a,a+bx<y,z<aだからExyExz=ba(xb)2dx=d33.三つの事象の共通部分ではu=ax,v=ay,w=azとおくとu+v<d,v+w<d,w+u<dとなる。u を固定した vw 断面の面積を分けて積分するとExyEyzEzx=0d/2{(du)2(d2u)22}du+d/2d(du)2du=d34.包除原理より補集合の体積は3ad223d33+d34=3ad223d34.よってV=a33a(ab)22+3(ab)34=a3+3a2b+3ab23b34.

総評

難度8、計算量8、目安時間24分。最小値を引いた式が大きい2数の和になると読むことが出発点である。順序を固定する積分と、立方体の禁止領域を包除する方法で体積を相互確認した。積分範囲の切替点 y=b、三重共通部分の断面、対称性の係数6が主要な監査点である。

冊子PDFで見る東大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 1987年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。