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東京大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

f(x)x>0 で定義された連続な関数で,0<x1<x2 ならば,つねに f(x1)>f(x2)>0 であるものとし,S(x)=x2xf(t)dtとおく。このとき,S(1)=1 であり,さらに任意の a>0 に対して,原点と点 (a,f(a)),原点と点 (2a,f(2a)) を結ぶ2直線と曲線 y=f(x) とで囲まれる部分の面積は 3S(a) に等しいものとする。

(1) S(x)f(x)2f(2x) をそれぞれ x の関数として表せ。

(2) x>0 に対して,a(x)=limn2nf(2nx)とおく。積分x2xa(t)dtの値を求めよ。

(3) 関数 f(x) を決定せよ。

難易度8/ 10計算量6/ 10目安30

関数積分 定積分評価漸化式の変形極限計算、計算整理

方針

まず面積条件を式に直す。2本の直線は y=f(a)x/ay=f(2a)x/(2a) であり、囲まれる部分は 0xa では2直線の差、ax2a では曲線と後者の直線の差として積分できる。これにより f(a)2f(2a)=4S(a)/a が出る。一方 S(x)=2f(2x)f(x) なので、S の微分方程式を解く。(2)は hn(t)=2nf(2nt) の単調性と積分値で極限を押さえる。(3)は g(x)=xf(x) と置いて g(x)g(2x) を繰り返し、(2)の極限で残り項を消す。

解答

(1)
(a,f(a)) と原点を結ぶ直線は y=f(a)ax であり、点 (2a,f(2a)) と原点を結ぶ直線は y=f(2a)2ax である。 f は正で単調減少だから、0xa では曲線 y=f(x) は2直線より上にあり、囲まれる部分の境界は2本の直線である。また ax2a では、曲線 y=f(x) が直線 y=f(2a)x/(2a) より上にある。よって面積 A(a)A(a)=0a(f(a)axf(2a)2ax)dx+a2a(f(x)f(2a)2ax)dxである。

第1項は af(a)2af(2a)4 であり、第2項は S(a)f(2a)2a(2a)2a22=S(a)3af(2a)4 である。したがって A(a)=S(a)+af(a)2af(2a) である。問題の条件より A(a)=3S(a) だから S(a)+af(a)2af(2a)=3S(a) であり f(a)2f(2a)=4S(a)a を得る。

一方、S(x)=x2xf(t)dt であるから S(x)=2f(2x)f(x) である。先ほどの式より 2f(2x)f(x)=4S(x)x なので S(x)=4S(x)x である。よって S(x)S(x)=4x となり、S(x)=Cx4 である。S(1)=1 より C=1 だから S(x)=1x4 である。また f(x)2f(2x)=4S(x)x より f(x)2f(2x)=4x5 である。

(2) hn(t)=2nf(2nt) とおく。f は単調減少なので、hn(t)t の単調減少関数である。するとx2xhn(t)dt=x2x2nf(2nt)dt=2nx2n+1xf(u)du=S(2nx)である。(1)より S(2nx)=1(2nx)4=124nx4 である。

また、hn は単調減少で正だから 0xhn(2x)x2xhn(t)dt=124nx4 である。したがって hn(2x)0 である。x>0 は任意なので、任意の正の数 y について 2nf(2ny)0 となる。すなわち a(y)=0 である。

よって、求める積分は x2xa(t)dt=0 である。

(3) g(x)=xf(x) とおく。(1)の f(x)2f(2x)=4x5x を掛けると xf(x)2xf(2x)=4x4 である。左辺は g(x)g(2x) だから g(x)g(2x)=4x4 である。

これを繰り返すと、任意の正整数 N について g(x)=g(2Nx)+4x4(1+24+28++24(N1)) である。
(2)
より g(2Nx)=2Nxf(2Nx)=x{2Nf(2Nx)}xa(x)=0 である。したがって N とするとg(x)=4x41124=4x41615=6415x4である。よって xf(x)=6415x4 となり f(x)=6415x5 を得る。

実際、この関数は正で単調減少であり、x2x6415t5dt=1x4 を満たすので、(1)で得た条件とも一致する。

総評

面積条件を関数方程式へ変換する理系らしい総合問題である。目安時間は30分。最初の面積を 0xaax2a に分けるところが最重要で、ここで係数 af(2a) を誤ると以後すべて崩れる。S(x)=2f(2x)f(x) と面積条件の左辺が反対符号で一致することに気づくと、S(x)=x4 はすぐ出る。(2)は単調性で極限を押さえる問題であり、(3)では g(x)=xf(x) にして倍々の差を足し上げるのが自然である。

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出典: 東京大学 1991年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。