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東京大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

xyz空間内の原点を中心とする半径1の球面S={(x,y,z)x2+y2+z2=1, x,y,zは実数}を考え,S上の定点(0,0,1)Aとする。
Aと異なるS上の点P(x,y,z)に対し,直線APxy平面の交点をQ(u,v,0)とする。

kを正の定数とし,点Px2+y2+z2=1,x1k,y1k,z1kを満たしながら動くとき,対応する点Qの動く範囲をuv平面上に図示せよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

図形と方程式ベクトル 座標設定軌跡文字消去、範囲評価

方針

A=(0,0,1) から球面上の点 Pxy 平面へ移す射影を,直線の媒介表示で座標化する。まず Q=(u,v,0)P で表し,次に逆に u,v から P を復元する。すると x1/ky1/k は2つの円の内部,z1/k は原点中心の円の外部になる。そもそも球面上に3つの座標がすべて 1/k 以上の点が存在する条件 k3 も最初に分けておく。

解答

直線 AP 上の点は,実数 s を用いて (0,0,1)+s(x,y,z1) と表される。Q はこの直線と xy 平面の交点なので,z 座標が0になればよい。したがって 1+s(z1)=0 より s=11z である。PA なので z1 であり,u=x1z,v=y1z を得る。

逆に Q=(u,v,0) から P を求める。r2=u2+v2 とおく。直線 AQ 上の点は (λu,λv,1λ) であり,これが球面上にある条件は λ2r2+(1λ)2=1 である。整理すると λ{(r2+1)λ2}=0 となる。λ=0 は点 A なので,P に対応するのは λ=2r2+1 である。したがってx=2ur2+1,y=2vr2+1,z=r21r2+1である。

まず,条件を満たす P が存在するには1=x2+y2+z21k2+1k2+1k2=3k2が必要である。よって 0<k<3 のときは求める範囲は空である。

以下 k3 とする。このとき k>1 である。x1/k2ur2+11k と同値であり,両辺に正の数 k(r2+1) を掛けて 2kuu2+v2+1 を得る。平方完成すると (uk)2+v2k21 である。同様に y1/ku2+(vk)2k21 である。

また z1/kr21r2+11k である。k>1 だから k(r21)r2+1 すなわち r2k+1k1 を得る。

したがって k3 のとき,点 Q の動く範囲は (uk)2+v2k21, u2+(vk)2k21, u2+v2k+1k1 をすべて満たす部分である。図では,中心 (k,0)(0,k),半径 k21 の2つの円の共通内部から,原点中心で半径 (k+1)/(k1) の円の内部を除いた部分を塗る。k=3 ではこの部分は1点だけになり,k>3 では面積をもつ領域になる。

別解

解法2

方針

射影の基本恒等式
u2+v2=(1+z)/(1z) を先に作る。そこから z、続いて
x,yu,v で復元し、3つの境界面がどの円へ移るかを
個別に確認する。最後に代表点で円の内外を判定する。

解答

Q=(u,v,0) とし、ρ2=u2+v2 と置く。直線 AP
座標からu=x1z,v=y1zである。球面の式を使うとρ2=x2+y2(1z)2=1z2(1z)2=1+z1zとなる。したがってz=ρ21ρ2+1,x=2uρ2+1,y=2vρ2+1.条件を満たす P が存在するためには1=x2+y2+z23k2が必要である。逆に k3 ならP=(1/3,1/3,1/3) などから非空である。
よって 0<k<3 では求める範囲は空集合である。

以下 k3 とする。上の復元式によりx1k(uk)2+v2k21,y1ku2+(vk)2k21.またz1ku2+v2k+1k1.どの変形も分母は正である。ゆえに求める範囲は、中心
(k,0)(0,k)、半径 k21 の2円の共通内部で、
さらに原点中心、半径
(k+1)/(k1) の円の外部にある部分である。すべての
境界を含む。k=3 では1点だけになる。

図は k=2 の模式図であり、青い2円の共通内部から橙色の円内を
除いた部分を示す。

総評

難度7、計算量6、目安22〜26分。北極からの射影を逆変換まで作ることが核心である。2解法で x,y の条件が2円の内部、z の条件が原点中心円の外部になる向きを照合した。先に k<3 では球面上の点自体が存在しないと分け、k=3 で1点だけになる境界も確認した。

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出典: 東京大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。