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東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

xy平面上の2点PQに対し,PQx軸またはy軸に平行な線分からなる折れ線で結ぶときの経路の長さの最小値をd(P,Q)で表す。

(1) 原点O(0,0)と点A(1,3)に対し,d(O,P)=d(P,A)を満たす点P(x,y)の範囲をxy平面上に図示せよ。

(2)A(1,3)と点B(1,1)に対し,d(A,P)=d(P,B)を満たす点P(x,y)の範囲をxy平面上に図示せよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

図形と方程式関数 絶対値の処理、場合分け、軌跡

方針

折れ線距離はd((x1,y1),(x2,y2))=x1x2+y1y2である。各小問で,x方向の距離差とy方向の距離差を別々に表にし,その和が0になる条件を読む。
(1)では境界x=0,1y=0,3,(2)では境界x=1,1y=1,3で式が変わる。最終的には,水平半直線と斜め線分,さらに水平半直線からなる折れ線または領域として図示する。

解答

(1) P=(x,y)とする。折れ線距離の定義から d(O,P)=x+y,d(P,A)=x1+y3 である。したがって条件は x+y=x1+y3 である。 ϕ(x)=xx1 とおくとϕ(x)={1(x0),2x1(0x1),1(x1)である。また ψ(y)=yy3 とおくとψ(y)={3(y0),2y3(0y3),3(y3)である。求める条件はϕ(x)+ψ(y)=0である。 x0ではϕ(x)=1なのでψ(y)=1,すなわちy=2である。 0x1ではψ(y)=12xであり,0y3の式から2y3=12x,すなわちy=2xである。 x1ではϕ(x)=1なのでψ(y)=1,すなわちy=1である。

よって求める点の範囲は{y=2(x0),y=2x(0x1),y=1(x1)で表される折れ線である。

(2)

条件は x1+y3=x+1+y1 である。そこで Φ(x)=x1x+1,Ψ(y)=y3y1 とおくと,求める条件はΦ(x)+Ψ(y)=0である。Φ(x)={2(x1),2x(1x1),2(x1)であり,Ψ(y)={2(y1),42y(1y3),2(y3)である。 x1ではΦ(x)=2なのでΨ(y)=2,よってy3である。 1x1ではΨ(y)=2xとなる。これは1y3の範囲で 42y=2x となるから,y=2xである。 x1ではΦ(x)=2なのでΨ(y)=2,よってy1である。

したがって求める範囲は {(x,y)x1, y3}{(x,y)1x1, y=2x}{(x,y)x1, y1} の和集合である。図では左上の領域,中央の線分,右下の領域を続けて描けばよい。

別解

解法2

方針

絶対値が変化する縦横の境界線で平面を区切り、各長方形領域の中では距離差が一次式になることを利用する。境界を含めて解集合を接続する。

解答

d((x1,y1),(x2,y2))=x1x2+y1y2 である。

(1) Δ(x,y)=d(O,P)d(P,A)={xx1}+{yy3}とおく。平面を x=0,1y=0,3 で区切る。中央の長方形0x1, 0y3 ではΔ=(2x1)+(2y3)=2(x+y2),したがって解は y=2x である。左側では x の寄与が 1
固定されるので y=2、右側では 1 に固定されるので y=1 となる。
よってy={2(x0),2x(0x1),1(x1).(2)Δ(x,y)=d(A,P)d(P,B)={x1x+1}+{y3y1}とおく。中央の長方形 1x1, 1y3 ではΔ=2x+42y,ゆえに y=2x である。左上 x1, y3 では2つの寄与が
22 に固定され、領域全体で Δ=0 となる。同様に右下
x1, y1 も領域全体が解である。他の区画では符号が一致しない。
したがって{x1, y3}  {1x1, y=2x}  {x1, y1}が求める範囲である。

総評

難度は5、計算量は5。折れ線距離の等距離集合には線だけでなく2次元領域も現れる点を、全区画の符号で確認した。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。 図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。